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ハイタッチからはじめよう!アスペルガー症候群との付き合い方

みなさんはアスペルガー症候群の方とお話ししたことはありますか?

 

「自閉症スペクトラム障害」(平岩幹男 著)によると、

アスペルガー症候群(Asperger's)は知的障がいのない自閉症のことで高機能自閉症ともいいます。

1944年にオーストリアのハンス・アスペルガーアスペルガー症候群についての論文を発表しました。

しかし、論文はドイツ語で書かれていたので、ながらく認識されていませんでした。

1970年代の終わりから1980年代にかけて、イギリスのローナ・ウイングたちがこの障害を再発見し、アスペルガー症候群という疾患名が日の目を見たそうです。

 

「高機能」とは、知的に障害がないという意味で具体的にはIQ70以上とされています。アスペルガー症候群を抱えると、一般的に対人関係など社会生活上の困難を生じる場合が多くなります。

 

僕は5年ほど前にアスペルガー症候群の方と接する機会がありました。

会社の新入社員の女の子でした。就職するまでは特に問題もなく生活していたらしいのですが、入社してから職場の同僚が彼女とコミュニケーションをとるのが難しいと訴え、あらためて医療機関で診断してもらったところアスペルガー症候群と発覚したそうです。

会社は彼女の適正に合う仕事を見つけようと色々な部署・職務を与えていました。最近ようやく1つの部署に落ち着いたみたいですが、最初はどこも長続きしませんでした。彼女自身は普通に振舞っているつもりですが、周りの人は強いストレスを感じてしまうようです。

実際、僕も少しだけ話したことがあるのですが、唐突にテンションが上がったり黙り込んだりとちょっと変わった雰囲気で、慣れないとしんどいのかもと思いました。

 

www.ted.com

大学生で生物学の研究者のアリックス・ジェネラスもアスペルガー症候群で、大きくなるにつれて社会的適合に苦労していました。

治療のために3000キロほども国内を渡り歩き、セラピスト25人 誤診11件 長年に渡る苦痛とトラウマの末にようやく必要な支援が受けられる治療センターが見つかりました。

18ヶ月の辛いリハビリの後に、彼女は信じられないようなことを始めたのです。

AutismSeesというバイオテック企業を共同創設し、Podiumというアプリを公開しました。自閉症の自己診断やコミュニケーション能力の向上を支援するアプリです。

彼女の目標は、自閉症アスペルガー症候群に対する人々の認識を変えることだそうです。

 

彼女のプレゼンは面白いジョークがたくさん散りばめられていて、コミュニケーションに問題がある(あった)とはとても思えませんでした。

一番笑いをとっていたのは「ワッフルハウス」に関するものです。

ワッフルハウスのことを知らなかったのでググってみたら、アメリカの25の州で1700以上の店舗を持つレストランチェーンストアだそうです。メニューの表現が独特で、特にハッシュポテト(Hashbrowns)が面白いです。

diced:ダイス入りの(四角く切ったトマト入り)、peppered:胡椒入りの(ハラペーニョ入り)、chunked:かたまり入りの(四角く刻んだハム入り)、topped:トップの(唐辛子入り)、capped:帽子入りの(マッシュルーム入り)、covered:カバーされた(チーズ入り)などなど。

 

AutismSees社のPodiumは英語版しかないので詳細は分かりませんが、先述した「自閉症スペクトラム障害」(平岩幹男 著)高機能自閉症への対応の仕方について書かれています。123頁からの「社会生活のためのトレーニング」という章はアスペルガー症候群だけでなく子育てにも使えると思います。

特に、実行のモチベーションを上げるための「ハーイ」とハイタッチはいつでも気軽にできます。

以下、本文を引用します。

 

「・・・できる子、手を上げて」と指示を出し、子どもは「ハーイ」と言って手を上げます。その後に具体的な指示を出すと、それをしない場合より明らかに実行できる割合が高くなります。何かほかのことに気を取られていても、手を上げるという動作、ハーイという発声から、実行に向かうモチベーションが上がるからです。これは一人のときだけでなく、園や学校など、集団の場面でも応用できます。

たとえば、「お風呂に入る子、手を上げて」という指示を出して子どもが手を上げたら、次にハイタッチをして、そして「お風呂に入ろうね」と言って入ります。モチベーションの問題だけでなく、心の準備にもなります。もちろんうまくできた後に「・・・できた子、手を上げて」と言って手を上げさせ、ほめて強化することにも使えます。

ハイタッチは、なるべく目の高さを合わせて、お互いの目よりも高いところに手を上げてタッチすることが基本です。そのときに「パチン」と音がすることで、達成感にもつながります。「パチン」という音は子どもに出させるようにします。ほめる動作としてのハイタッチの達成感を相手が得ることが重要です。また目合わせが苦手な幼児の場合に、目を合わせやすいように「両手でタッチ」を使うこともあります。

 

実際にイヤイヤ期の我が子(四歳男児)で試してみたのですが、ハイタッチがパチンとうまくいくと何度もパチンパチンとうれしそうにやってくれました😊

 

ぜひ、みなさんもアスペルガー症候群の方や幼児と接する機会があったら「ハーイ」とハイタッチをしてみてはいかがですか?