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ダンジョン飯がすごい!アラフォーのおっさんがハマった3つの理由

ダンジョン飯をご存知だろうか?

 

このマンガがすごい!2016 のオトコ編1位となったマンガである。

まだ2巻までしか出てないけど、めっちゃ面白い。

 ダンジョン飯(1) 

ダンジョン飯(2) 

 

ストーリーは、ダンジョンの奥深くで置き去りになった(ドラゴンに食べられた)妹を救うために主人公とその仲間たちが魔物と戦い、食費の節約も兼ねて、倒した魔物を美味しく料理して食べる、というもの。

 

僕は家事の中では料理が好きで(というか他の家事はしたくない)、ファンタジー小説ゲド戦記ナルニア国物語など)が好きで、小学校の頃にファミコンが誕生した世代なので普通にRPGドラクエやFFはほぼコンプ)が好きなんだけど、そんなアラフォーのおっさんにとって、ダンジョン飯はすげーハマった。

 

まず、料理好きの観点から、魔物料理のこだわりがすごい。センシというドワーフが料理人なんだけど、彼の料理にかける情熱は素晴らしい。ダンジョンという限られた空間の中で魔物(食材)の味を最大限に引き出し、手際よく調理する。第1話「水炊き」では、主人公のライオスが作ろうとしたサソリ鍋に対し、「サソリと茸だけではちと寂しいのう」といって、そこらに自生している藻やイモを採ってきて、さらに自家製の干しスライムを加えて、彩りも栄養バランスも良い水炊きにしてしまう。「魔物食に興味を持ってもらうのが何よりも嬉しいのだ」と初対面のライオスたちに高級食材の干しスライムを惜しげもなく提供する。ゴーレムを素晴らしい生き物と賞賛しつつ畑代わりにして自給自足の生活をしている。そんな彼がたんたんと語る言葉には魔物(食材)に対する無償の愛を感じる。

「ダンジョンも畑も一緒だ。ほったらかして恵みを享受することはできない。何より、ここで育ったものを食べ、自分からもダンジョンに分け与える。そのように暮らしていると、ようやくこの迷宮の中に入れたように思える。それが嬉しい」

僕が尊敬する料理人とは、自分の技術によって食材の味を極限まで高め、さらに食材を持続的に供給できるよう環境を整える努力をしている人なのだ。

 

そして主人公ライオスである。彼の魅力は”あくなき探究心”である。

「ずっと黙っていたが、俺は魔物が好きだ。姿や鳴き声、どんな生態をしているのか、そのうち味も知りたくなってしまった」と仲間にカミングアウトして、出会った魔物はとりあえず食べようとする。

一見、食べれなそうな「動く鎧」に対しても、戦闘中に動く鎧の生態を観察し、

「ずっと違和感があった。目や耳のない無機物が頭を拾って元に戻す動作。首を動かしてこちらの姿を追う仕草」

「卵」

「間違いない、こいつは生き物だ!誰に命じられているわけでもない。本能に基づいて行動し、卵を守ろうとしている」

「だったらいくらでも倒し方がある」

「そして食える」

ライオスは優れた洞察力で動く鎧を倒し、センシに依頼する。「鎧は食べられないがこの中身だったらどうだ!?なかなか栄養価も高そうじゃないか?」はじめて触る食材だから自信がないがと応えるセンシに対し、「この部分を刃物で切ると殻を閉じられなくなった。おそらくこれが殻を閉じるのに必要な閉塞筋・・・つまり貝柱のようなものなのかも」とヒントを与え、牡蠣のように焼き動く鎧、蒸し動く鎧などを調理してもらう。

われわれ人類もウニやナマコやら一見食べれなそうなものを高級食材として嬉しそうに食べている。それはライオスのように”あくなき探究心”によって開拓されてきたのではないだろうか。

 

最後に、パーティーの仲間であるマルシルとチルチャックの存在である。エルフで魔法使いのマルシルはドジっ子、ハーフフットで鍵師のチルチャックはツンデレ系だ。彼らはライオスやセンシと違って魔物食に否定的な現実主義者であり、ツッコミ役でもある。彼らがいるおかげで、物語は良いバランスがとれているし、何より二人ともカワイイ。カワイイは女子だけでなくおっさんにとってもツボなのだ。

 

ということで、アラフォーのおっさんがダンジョン飯にハマった3つの理由は、

料理へのこだわり

あくなき探究心

カワイイ

である。

 

電子版は紙のコミックより安いらしい。

ダンジョン飯(1)電子版 

ダンジョン飯(2)電子版