サーカスコーヒー。
Design Week Kyotoが始まるまで全然知らなかった。
コーヒーにハマりつつあるので、よりコーヒーのことを知りたいので、行ってみた。
北区の紫竹エリアというところにある。
古民家を改装した小さいお店で、夫婦二人でやってるのもあって、
参加者は限定されてて、4名だった。
店主の渡邉さんは、真珠の養殖からキャリアをスタート、インドネシアで数年間、真珠の養殖をしていたとか。その後、コーヒー工場、カフェ勤務を経て独立し、現在のお店を開いたそう。
実家がすぐそばにあり、元々はお茶屋さんだった古民家を安く譲り受け、サーカスコーヒーを作っていった。
奥さんがフランス系の雑貨屋さんで働いた経験があり、その時に色のセンスとか、パッチワークとかの技術を吸収、現在のお店の内装に活かしているらしい。とてもかわいくてセンスがいい。
サーカスのデザインも奥さんがやったとのこと。メリーゴーラウンドをイメージしたテント。色使いもいいよね。
生豆を見せてもらった。コンゴ産。最近は麻袋の中にビニール袋を入れて、その中に生豆を入れ、輸出される。輸送中に余計な湿気を吸って劣化しないための工夫。
生豆はちょっと小さくて臭い。糠みたいな臭い。「わ、臭っ!」って思わず言ってしまうほど。これを焙煎するとコーヒーの匂いになる。
これが焙煎機。
Fuji Royalという日本メーカーのもの。海外ものだと壊れたときの代替用部品の調達に時間がかかるから、日本のものを選んだらしい。大阪に本社がある会社なので調達も楽やね。
焙煎は真ん中の丸いドラムをバーナーの火および熱風で温めて行う。
ドラムの真ん中にある木の棒は取り出せて、豆の焙煎状態がよく見えるという仕組みだ。
焙煎中、何度か取り出して、豆の色や状態を見せ、匂いをかがせてもらった。
焙煎には一ハゼ、二ハゼという状態がある。
一ハゼは、豆の水分が飛んで水蒸気となり、中の空気が破裂してパチンとなることを言う。
二ハゼは、豆から油分が出てきて、それが温められることで、天ぷらを揚げてるときみたいなピチピチした音がする。
焙煎した豆は加熱してたドラムから冷却用の受け皿に一気に流される。ザザーっと出てくるのを見るのは楽しい。
受け皿部分では下に小さな穴が空いてて、かき混ぜ棒でコロコロ混ぜながら、下の穴から外気を吸い込むことで豆を冷やす。
工場とかの大型のものになると、水をかけて冷やすそうだ。そうしないと、豆が熱を持ちすぎて火事になっちゃうとか。
焙煎の副産物として、豆の薄皮がダクトの下にたまる。ほのかにコーヒーの香りがするこの薄皮は今のところ使い道がないらしい。大手の焙煎メーカーとかでは牛の寝わらになるとか。コーヒーの香りがする枕とかで売ったらいいのにと思った。
焙煎後は隣のウルクルというレストランに移動し、
「一杯のコーヒーを通じて見えてくる世界」というタイトルで、コーヒー豆の生産過程を教えてもらった。
コーヒーは世界中で飲まれているお茶。
石油に次いで取引されている商品。
そのため、投機の対象となる。
投機の対象となるコーヒーの価格は世界的シェア30%のブラジルの出来で決まる。ブラジルが豊作なら安く、不作なら高くなる。
そのため、他の地域の生産者は、コーヒー価格が安くなれば赤字が増えるため、コーヒー事業から撤退する。そうしてコーヒーの作り手が不足してきたらコーヒー価格が高くなる。そうした不健全な経済サイクルで回っていた。
その流れを止め、ちゃんと高品質の豆を生産しているところを評価しようという動きが、スペシャルティコーヒーだ。景気の変動によらず、一定の価格で買い取る制度で、高品質の豆を取引する。そうすることで、末端の生産者までの生活を保障するというものだ。
そのような思いを聞きながら、焙煎したてのコーヒーを飲んだ。
お店のライトがお月様のように映っていた。
焙煎したてのコーヒーはちょっと苦味が強かった。
今回は二ハゼまでいったので深煎りだという。
焙煎したてだと、まだ豆が不安定で、ちょっと雑味が入り、それほど美味しくないらしい。2〜3日後がピークとのこと。
その味の変化を楽しむのも楽しいな。
1500円で、コーヒーの知識が深まって、焙煎したての豆をお土産にもらえて、とってもお得な会だったよ。