産後うつは一般的なうつの5倍以上。
日本の母親の7割以上が子育てで孤立を感じている。
そんな始まり方で僕は画面に釘付けになった。
NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?〜最新科学で迫るニッポンの子育て〜」である。
産後に孤独を感じるのはなぜか?
以外にも、
赤ちゃんはなぜ夜泣きをするのか?
子供のイヤイヤ期はなぜ起こるのか?
夫にイライラする妻が多いのはなぜか?
といったことを科学的に解明している。
まずは、産後の孤独感がなぜ起こるかについて、
その謎を解くカギは人類進化の歴史にあった。
人間に最も近い類人猿のチンパンジーは子育ても人間そっくり。
5年間、付きっ切りで子育てをする。
しかし、孤独感に苦しむことはない。
それはなぜか?
人類とチンパンジーが分化したのはおよそ700万年前。
チンパンジーが5年に一度しか子供を産み育てられないのに対し、
人間は毎年たくさんの子供を産むことができる。
たくさんの子供を産むという人間の大きな特徴があるからこそ、
人間は仲間を増やし、繁栄できたという。
しかし、毎年子供を産んでたら育てるのが大変じゃないのか?
その問題を人間は、共同で養育するという独自の子育て術を編み出したことで解決した。
生まれて間もない我が子を他人に任せるのは動物の中でも人間だけという。
しかし、この共同養育が産後の孤独感の理由ともなっていたのだった。
出産後の母親は女性ホルモンのエストロゲンが減少する。
エストロゲンが減ると不安や孤独を感じやすくなるという。
この仕組みは実はもともと共同養育を促すためのものだったとも言われている。
子供はみんなで育てるというのが普通なのに、日本は子育て家庭の核家族率は8割で、共同養育がしにくいのが現状である。
しかも、諸外国に比べ、夫の労働時間が長く家事を手伝わない。
その上、ベビーシッターの利用率も低い。
ベビーシッターの代わりに保育園があるのだろうけど、国の政策は十分とは言えない。
日本はもっと共同養育をしやすい環境にすべきだと思う。
次は、赤ちゃんがなぜ夜泣きをするのかについて、
産まれたばかりの子供ってめっちゃ夜泣きする。
そして母親は寝不足になる。
その理由は出産前の胎児の頃の睡眠習慣によっていた。
胎児は昼よりも夜の方が頻繁に目を覚ます。
目覚めている胎児は母親の血液から多くの酸素を奪う。
だから、母親が寝ている間に目を覚まして、母親がしんどくないようにしているのだ。
めっちゃ母親想いなのだ。
産まれたての頃は、胎児の頃の習慣が抜けなくて、夜に目を覚ますのだ。
だから、どうか、夜泣きがひどいからって、赤ちゃんを叱らないでほしい。
続いて、子供のイヤイヤ期について、
簡単に説明すると、
人間は二足歩行をするようになって骨盤が小さくなり、胎児の頭がまだ小さいうちに産む必要がある。
そして、産まれてから10年以上もかけて脳はゆっくりと成長する。
だから、さっきの夜泣きも脳がまだ成長していない証なのだ。
イヤイヤ期も同じで、欲求を抑える機能をしている前頭前野が発達していないために起こる。
成長によって差はでるけど、6歳くらいまではイヤイヤ期があるらしい。
でも、次第に我慢できるようになる。
そうして、ちょっとずつ大人になっていくのだ。
だから、イヤイヤ期の子供を相手することに絶望しないで欲しい。
いつか終わりがくるのだから。
それでも辛いときは、この記事を参考にするといい。
「そういうとき、どうされてます?」
「どうして泣くの、なにが嫌だったの、って聞いても、さっぱりで……」
「そうですよね。でもお母さん、今度そうなったら、思いきって、放っておいてみてください」
「放っておく……?」
「そうです。その場からいなくなって、どんなに泣いても叫んでも、かまわないの。そしたらしばらくして、泣きながらだけど向こうからやってきます。そしたらそこで初めて抱っこしあげて、そしてここが大事なんですけど──抱っこしたら、もうその話はしないの」
「と、いうと……」
「もう、全然べつの話をするんです。まったく関係ない話。理由もきかない、もうだいじょうぶ? みたいなこともいっさいなし。さっき泣いたり叫んだりしたことと、この安心は関係がないってことをわかってもらうんです。それをくりかえすことによって、泣いても叫んでも、何にもならないってことがわかるんです」
「……わたし、『あんな叫んだら喉破けるで』とか『もうあんなんあかんで、救急車くるで』とか、抱っこしたあともけっこうねばねば言ってました……」
「そうそう。でも、なかったことにするの。そういう自分の行為が何にも影響しないんだなってわかるのが大事で、そうなると、だんだんなくなってきますよ」
そして最後に、夫にイライラする理由。
出産の時に大量に分泌されるホルモンがある。
その名もオキシトシン。
オキシトシンは筋肉を収縮させる作用があり、陣痛を促したり、産後の授乳の時に入線を刺激し、おっぱいの出をよくする効果がある。
しかし、オキシトシンには副作用もあり、それが夫へのイライラへとつながるとのこと。
その副作用とは、愛情の裏返しで攻撃性が増すということ。
自分が信頼できそうにない人がいたら、
その人が自分の子供に接近することから守る。
動物も一緒。天敵がきたら子供を守るために母親は必死に闘うのを動物ドキュメンタリーでよく見る。それと同じことだ。
つまり、夫にイライラするのは、夫が信頼できそうにないからだ。
では、妻にイライラされないためには、どうすればいいのか?
妻の愛情を深める秘訣は何か?
それは、
妻と向き合って会話することだ。
ただ、妻の話を聞いてあげるだけで、ただそれだけで、妻がリラックスするという結果が出た。
具体的な解決法やアドバイスがなくても(というか、アドバイスがないほうがむしろ良いと実感してるけど、)話が受け入れられたと感じてリラックスしたのだ。
だから、世の夫よ、
もっと妻の話を聞いてあげなさい。
仕事で疲れて帰ってきても、まずは妻の話を聞いてあげなさい。
自戒をこめて、もう一度。
もっと妻の話を聞こう!