甲野善紀先生の術理で虎ひしぎというのがある
手の親指を人差し指より内側に入れて、人差し指を親指側に伸ばす。
親指を手の内側にねじ込みながら、肘は開かず、ねじりに抗うようにする。
そうすると、小手先が死んで、肘から上の体全体を使うことができる。
大きな段差の上り下りや重い荷物を運ぶ時に余計な力を使わずに効率よく体を使うことができる。
僕はトレイルランや100kmウルトラマラソンの時に応用して、ずいぶん楽に走れるようになった。
手は器用だから、何でも手だけで解決しようとする。
ボールが飛んできたら、とっさに手が出る。
組織では、リーダーの役割が重要になる。
リーダーは優秀な人がなることが多い。
ただ単に、頭が良くて仕事が出来る人をリーダーにしてしまった場合、いわゆるプレイイングマネジャーと呼ばれる人が出来上がってしまう。
器用なので何でも出来る。何でも自分だけで解決しようとする。
そうすると、リーダー以外の人たちは、することが無くなり、成長しなくなる。
一方で、リーダーが型を決めて、方向性を決めて、ビジョンを仲間に伝えて、何もしないと決めたら、他の人たちが力を合わせて頑張る。
自分一人では出来ないことでも、仲間と協力して、大きな成果を出す。
それは優秀なリーダーが一人で実現できることよりも、遥かに大きな成果だ。
だから、僕は仕事における「虎ひしぎ」を身につけようと思う。