朝起きてすぐコンビニへ行った。
2016年9月18日の読売新聞を買うためだ。
シンゴジラを語る会でお会いした御厨先生の寄稿記事を読むためだ。
御厨先生は東京大学名誉教授で、専門は日本政治史。公人へのインタビューで現代史を検証•記録する「オーラル•ヒストリー」の第一人者。
語る会ではそんなことは露ほども知らず、僕はただただゴジラとウイスキーについて熱く語った。
「もう1件行きましょう!」と御厨先生が言うので近くの行きつけのバーにお連れした。そこからはひたすらウイスキーについて語った。
それから1週間ほどして、御厨先生からメールが来た。
「9月11日の読売新聞に掲載予定です」
おお!あのシンゴジラを語る会が新聞の寄稿記事になるのか!
「絶対に買います!」と返事をしたら、しばらくしてこんなメールが来た。
「原稿が(PCから)消えてしまいました。記憶を振り絞って書き直します」
「シンゴジラのビームで主要閣僚を失った矢口蘭堂のようですねw」
そう返事をして、御厨先生の復活を待った。
そして、9月18日。
読売新聞のどこに掲載されるか聞いてなかったので、まずは折り込みの日曜版をみた。
載っていない。
文化欄あたりかな?とあたりをつけて、テレビ欄のほうから紙面をめくっていった。
社会欄、地域欄、スポーツ欄、しばしホークスの結果を眺める、特別面、社会保障欄、くらし欄、文化欄、なかなか見つからない。
日にちを間違えたかな?と思った。投書、国際、政治経済、総合ときて、2面にそれはあった。
1面の続きということは、1面にも掲載されているということか!
すぐに1面を見た。
おお!写真付きだ!
シンゴジラを語る会ではフランクに話してたけど、紙面に登場するとやっぱすごい人なんやなぁと実感した。
寄稿記事は冒頭から引き込まれる書き方だった。
(映画「シン•ゴジラ」は)3.11東日本大震災と福島原発事故、そして日米安全保障条約が絡んだ物語だと誰しも分かる。この5年間を経験した日本人につきつけられた「非常時にどう立ち向かうか」の問いに、見る者は待ったなしの感覚を持たされる。
これ、考えないようにしてきたなと。
そうだよな。エヴァンゲリオンの主人公•碇シンジがよく言う「逃げちゃダメだ」っていうメッセージをつきつけられてる感じだよな。
ゴジラにどう立ち向かう
”共存”する「災後」体制へ
その2つが御厨先生が記事に込めたメッセージだった。
詳しくは新聞を買って読んでほしい。
「あきらめず最後までこの国を見捨てずにやろう」
映画が訴えた不退転のメッセージにうなずく以外なかろう。
そう締めくくられた寄稿記事を読んで、
映画って素晴らしいですよね。
と安直な感想を持ってしまったことを特に恥じることなく、僕はこれからも生きていくだろう。