京都・金剛寺で毎月第三金曜日の朝に開催されているお寺カフェに行ってきた。
阿弥陀さまに見守られながら、木魚を無心に叩いた。
住職の法話を聞いて、お堂の中にある掛け軸を眺めた。
筆で描かれた虎と龍を見つめた。
写仏というものを初めて知った。
大日如来、釈迦如来とあったが、一番描きごたえのある不動明王を選んだ。
下絵の上にトレーシングペーパーを載せ、筆でなぞる。
久しぶりに筆ペンじゃない筆を手にする。
筆先に墨汁をつけ、余分な墨を落とす。
まずは直線が続く台座から描き始める。
多少、線がよれるが構わずに描く。
不動さまの足を描く。
衣を描く。
剣を描く。
手を描く。
後ろの炎を描く。
曲線が続く。
筆遣いに慣れてきて、炎を描くのが楽しくなってきた。
墨がなくなってかすれてくるのも味があっていい。
あらたに墨を足して濃く描くのもいい。
ひとつひとつの炎が、形が違って、いい。
不動さまの顔を描く。
眉を描く。鼻を描く。口を描く。目を描く。
瞳をいれる。
凛々しい顔立ちになる。
残りの炎を描ききる。
右の下絵とは少し表情が変わったけど、それもまた、いい。
朝から無心になれる時間というのは、すごくいい。