京都府立図書館で「選ばれし書を語る」というイベントに参加した。
ナレッジベースイベント「選ばれし書を語る」を開催します(受付終了) | 京都府立図書館
イベント開催前に自動書架を見学させてもらった。
40万冊が収蔵されているらしい。
本を検索するとコンテナごと運ばれてくるシステム。
図書館好きにはたまらない。
オートメーション!
自動書架の感動!の余韻を残しつつ、イベント開始。
僕が事前に選んだ図書は「酒の科学」
”選ばれし書”とは先ほどの自動書架で同じコンテナに入っていた図書のことだ。
何が入っているかは後ほどの楽しみ。
タイムスケジュールはこんな感じ。
チェックイン。
お気に入りの本の紹介。
僕は「酒の科学」
まだ読んだこと無かったけど、「コーヒーの科学」や「ウイスキーの科学」は持ってて、ブルーバックシリーズの「⚪︎⚪︎の科学」シリーズはこだわりが強いことは知っていた。
実際に読んでみて、あらためて実感する。
本を読むにあたって、”はじめに”を読むと大体のことはわかる。著者がその本をなぜ書いたか?が解説されているからだ。
「酒の科学」では、なぜ酒が素晴らしいか?が書かれていた。
それは大体こんな感じだった。
酒を深く知ることで酒がより美味くなる。それは音楽を聴く時にその作曲家や演奏者の物語を知ることで、より音楽が楽しめるのと同じようなものだ。
そう。酒は知識で美味くなる。ウイスキーもそうだ。僕はウイスキーエキスパートの資格を取る際に、ウイスキーの歴史や製法、種類などあらゆる知識を学んだ。そうすることで、目の前に出された一杯のウイスキーが格段に美味くなったのだ。
なぜそのウイスキーが、どのようにして造られたか、どういうプロセスを経て、ここにたどり着いたか?そういったことを知識で分かった上で飲むと、格段に美味くなるのだ。
そのようなことを、”はじめに”の節を元に語った。
そして、ウイスキーの章に移り、また冒頭の文に打ちのめされた。
ウイスキーはゆっくりと飲む酒である。暖炉の前のロッキングチェアに座り、お気に入りの本を読みながら、ゆっくりと飲む酒である。これほど深く、本と繋がる酒はウイスキーをおいて他に無い。
そのようなことが書かれていた。
まさにその通りなのである。
村上春樹を読みながらウイスキー(カティサークかラフロイグ)を飲むことが至福の時である。
ほどよく酔いが回ることで、村上春樹の、井戸の深くに潜る文体が、身体のすみずみまで沁み渡る。混ざり合う。エントロピーの増大。
そういったことを語った。
他の方々の、お気に入りの本について語ることについても、とても魅力的だった。どの本もすぐにでも読みたくなるものであった。
そして、選ばれし書について語る時が来た。
選ばれし書の封を開けると、コンテナに一緒に入っていた様子が写し出されていた。
僕の選ばれし書は「ポケット艦隊」だった。
初めて見る書。何が何やら分からぬまま、中身を見ずに語る。
ポケット艦隊とは何か?想像するに、小さな艦隊である。たぶん第二次世界大戦。ヨーロッパ。大活躍。敵はどこの国?ポケット艦隊はどこの国の所属?想像を膨らませて語る。
他の人たちも、ほぼ初見の書について想像で語る。
即興の物語が楽しい。
その後、各グループで読みたいと思った本を選ぶ(シールによる投票)
僕の「酒の科学」も選ばれたので、再び熱く語った。酒の素晴らしさを。ウイスキーの素晴らしさを。
Whisky worth spreading.
楽しい時を過ごせた。
もし、この文章を読んで、ウイスキーに興味を持ったら、こんなイベントもやってます。
ウイスキーがもっと好きになる。