学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

母の日だから、14年前に亡くなった母との思い出を振り返る。

f:id:ScotchHayama:20200510131258j:plain

今日は母の日。

 

カーネーションを一輪買って、息子に「今日は母の日だからママに渡しておいで」と言って渡した。

 

息子は喜んでママに駆け寄り、カーネーションを渡した。

 

「ありがとー」と妻はハグをしていた。

 

花瓶に活けるため、茎をカットしたらしく、それを息子はペン回しのように回していた。お兄ちゃんがペン回しにハマっているから。

 

「花はどうしたの?」と息子に聞くと、

「机の上にあるよ」と言われた。

f:id:ScotchHayama:20200510131609j:plain

 

息子にとってはカーネーションはママの代わりなのだろうか?

 

僕の母は2006年に亡くなった。享年56歳だった。

脳出血で、寝てる間に亡くなった。

 

亡くなるちょっと前には、私の娘の七五三のお祝いをしてくれた。

f:id:ScotchHayama:20200510131918j:plain

そのときに撮った写真はいまも娘の机に飾られている。

 

母との思い出を振り返る。

 

いくつになっても無邪気なお母さんだった。

 

娘が生まれたタイミングでビデオカメラを買ってくれ、そのビデオカメラで娘を撮っていると、お母さんがやってきて、どじょうの話をした。

 

「すぐそこの溝にどじょうがおったんよ。つかまえようっち思ったけど、パーっち逃げたんよねー」

 

「ふーん」

 

そんなくだらない会話をいつもしていた。

 

お母さんは優しかった。

幼稚園のころはパートで忙しかったけど、僕が寂しがってたら、パートに行くのをやめて内職に切り替えてくれた。

昆布屋で働いてたけど、電気工事用のコネクタづくりの内職に切り替えてくれた。

 

お母さんの料理はおいしかった。

たまに失敗するけど、筍の煮たやつはいまでも思い出す。ほっこりする。

高校生の食べ盛りの頃はパンをいつも焼いてくれた。ハムとチーズ入りのロールパンが好きだった。晩ごはんを食べたあとに、いつもお母さんが焼いてくれたパンを2個、牛乳2本と一緒に食べていたなぁ。

 

お母さんはお父さんと仲がよかった。

よく二人で海釣りにでかけていた。カワハギをたくさん釣ってきて、二人で楽しそうに捌いてた。カワハギの寿司が美味しかった。カワハギの肝の軍艦が美味しかった。

 

お父さんはお母さんを愛していた。

こないだ十三回忌を終えたけど、墓はいつもきれいだ。お父さんが毎日お掃除しているのだろう。お父さんはいま独身のお兄ちゃんとオスの犬と暮らしている。すこし寂しいかもしれないけど、楽しく余生を過ごして欲しい。

 

お母さんは今でも僕の心の中にいます。

ありがとう。

7日間ブックカバーチャレンジ文庫編4日目「この国のはじまりについて」

f:id:ScotchHayama:20200509192025j:image

司馬遼太郎対話選集1「この国のはじまりについて」

 

湯川秀樹との対談もある。

ノーベル物理学賞を受賞しているのにやたらと歴史に詳しい湯川秀樹

 

対談では司馬遼太郎よりもかなり話してる。

 

丸顔と細面の違いについて

 

出雲と朝鮮について

 

蒙古語と日本語の関係

 

縄文文化

 

弘法大師の複雑さ

 

血液型からみた日本人

 

など

 

魅力的なコンテンツがたくさんある。

 

知識が豊富な人の話を聴くのは楽しい。

7日間ブックカバーチャレンジ文庫編3日目「ふくわらい」

f:id:ScotchHayama:20200506215006j:plain

西加奈子「ふくわらい」

 

第1回河合隼雄物語賞 受賞作

 

選考委員のひとり、上橋菜穂子はこのように選評した。

 

「物語としてしか命を持ちえない作品」

 

物語が命をもつ、というのは、

これしかない、と思い込んでいた世界の姿が、その物語を読むことで、ぱっと吹き飛ばされ、ペラペラと紙吹雪に変わり、やがて、再び、ゆっくりと戻ってきて、もとの世界の姿をつくっていくのを見る。

そのとき、ああ、そうか、そうだったのか、という気づきが、新鮮な感動とともに、心に広がって行く。

上橋菜穂子は解説する。

 

「ふくわらい」には主人公の定(さだ)だけでなく、彼女の周りに魅力的な人々が登場する。そして、定をより魅力的に変えていく。

 

私は守口廃尊(もりぐちばいそん)が特に好きだ。

守口廃尊は1965年生まれ、1984年、プロレスデビュー。

1986年、蝶野や橋本、武藤ら同年デビューのレスラーと共にアメリカ武者修行、ヒールとして戦う。

帰国後、鬱病となり、自殺未遂や入退院を繰り返し、新日本プロレスを解雇され、いまは小さなプロレス団体でリングに立ちながら、週刊雑誌のコラム執筆を5年ほど続けている。

生い立ちや背景は「リアル」に登場する脊損プロレスラー・スコーピオン白鳥と似通っている。

scotchhayama.hatenablog.com

 

そんな守口廃尊が試合後に語った言葉が響いた。とてつもなく。

おいらはプロレスラーだ。

だが、こんな風に売文もしている。

本当は、言葉が怖い。

言葉をうまく組み合わせないといけない社会が怖い。

でも、頼らずにはおれない。

おいらには言いたいことがたくさんあった。

 

猪木さんになりたかった。

ずっと猪木さんみたいになりたかった。

でもなれなかった。

天才にはどうしたってなれねぇ。

でも、おいらには、これしかない。

猪木さんの背中すら見えない、

足跡すらかすんでいる、 

そんな道で、

でもおいらは、

やるしかないんだ。

 

だって、おいらはプロレスが好きなんだ。

プロレスに好かれていなくても、

おいらはプロレスが好きなんだ。

 

そしてそんな俺が、俺なんだ。

猪木さんじゃねぇ。俺なんだ。

 

俺は死ぬまでプロレスをやる。

そしてその決意を、こうして言葉にする。

 

おいらは体も、言葉も好きだ。

 

それって何だ、

わからねぇけど、

ほとんど生きてるってことじゃねぇのか。

おいらが生きてゆくってことじゃねぇのか。

 

生きてるんだから、

おいらは好きなことをする。

 

生きるのが終わるまで、

好きなことをする。

 

体も、言葉も、好きなことをする。

生きるのが終わるまで。

 

 

西加奈子の紡ぐ言葉は力強い。生に満ち溢れている。

7日間ブックカバーチャレンジ漫画編7日目「HUNTER×HUNTER」

f:id:ScotchHayama:20200506213812j:plain

キメラアント編が始まった時はまだ大学生だった。ジャンプで週刊で読んでいてワクワクしていたものだ。とくにカイトとネフェルピトーの対戦はこれまでにないやばさだった。

 

その後は休載が多く、作者が生きてる間に終わるのかハラハラしながら楽しみに、ずーっと待ちつづけ、30巻でようやくキメラアント編が終わる。紆余曲折あったが、非常に良い終わらせ方だった。

 

32巻から始まる暗黒大陸・王位継承編はいつ終わるんだろう?