牡蠣とマラソン
一見、関係なさそうな二つを組み合わせるとどうなるのか?
体験するために宮崎へ飛んだ。
第29回青島太平洋マラソン2015に出場する。
神武天皇をまつる宮崎神宮と神武天皇の祖父である山幸彦をまつる青島神社を往復するという、いにしえの神を巡るコースだ。
マラソン前日に牡蠣を食す。
牡蠣はグリコーゲンが豊富な食材である。
グリコーゲンは体内でエネルギーを一時的に保存しておくための物質で、
糖質(ブドウ糖)がたくさん連なった構造をしている。
必要なときにはグリコーゲンを分解してブドウ糖を取り出すことが出来るので、グリコーゲンを内臓や筋肉に蓄えておくと、運動をするときにフルパワーで動けるのだ!
まずは、ランチである。
宮崎てげてげ通信(通称テゲツー)でも取り上げられた「コーストライフ」へ。
まるでハワイだ!(行ったことないけど・・・)
もちろん「牡蠣とキノコのクリームリゾット」を注文する。
ランチはサラダとスープ付き。
サラダ美味い!
見たことない野菜がたくさんある。
甘い、苦い、酸っぱい、しょっぱい。いろんな味がする。
カリ、コリ、サク、ムニュ。いろんな食感が楽しい。
スープはブロッコリーのポタージュ。
浮いてる赤いのがアクセントになってて美味しい。なんかの香辛料だけど名前知らない。
メインの牡蠣とキノコのリゾット。
いい感じに牡蠣エキスがリゾットに馴染んでる。
胃に優しい。
生牡蠣もあったので注文。
糸島みるくがき。
持参したウイスキー(ボウモア)をチョロリとかける。
この食べ方は「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」の中で、村上春樹がボウモア蒸留所の工場長(当時)のジム・マッキュワンから教えられたもので、この本を読んで以来、僕はいろんな生牡蠣で試している。生牡蠣とスコッチウイスキー(特に海岸沿いで熟成されたもの)は最強の組み合わせだと思う。ウイスキーはボウモアが合わせやすいが、牡蠣の産地や育成状況に合わせてカリラやタリスカー、グレンモーレンジなど好みのものをチョイスすれば良い。
ほどよく満腹になった後、観光がてらコースを下見する。
コーストライフから1kmほど歩くと、40kmの標識が見えてきた。
明日、ココを走っている頃は死にそうになってるだろう。
受付を済ませ、青島方面へ。
青島グランドホテルは屋上に露天風呂があり、オーシャンビューが楽しめる。
少し肌寒いが、裸で青島神社を見下ろせて気持ちいい。
風呂から上がって気持ち良く青島神社へ。
狛シーサーが出迎えてくれた。
シー(左)サー(右)
山幸彦と豊玉姫の埴輪も出迎えてくれる。
神話の中では海幸彦・山幸彦の話が一番好き。竜宮城のモチーフにもなってるしね。
本殿を右に曲がり、絵馬のトンネルを抜けると、南国の木々が繁るジャングルだ。
いろんな神がいそうだ。
「天の平瓦投げ」で願掛けをする。
「明日は無事に完走できますように」と、投瓦所へ投げ入れる。
パリンと心地いい音で平瓦が割れた。
ぐるっと青島を巡って陸繋砂州の付け根に戻ってきた。
ここが最後の折り返し地点となる。37km。ここから5km走ればゴールとなる。
どこまで体力が残っているだろうか?
牡蠣次第だろう。
さらに牡蠣を補充するため、宮崎市の歓楽街にあるシーフードバルへ。
カキペディア編集長の紹介である。 美味くない訳がない。
超絶人気店のため、19時から予約で満席のところを、18:30〜19:00までの30分でいいので食べさせてくれ!とお願いし、何とかカウンター席に座れた。
タブレットで注文できるシステム。分かりやすい。
佐賀県 海男”ふわふわ”と天然真牡蠣を頼む。セカウマ食べたい!
カウンターからは牡蠣開けの様子がよく見える。他のお客さんの注文も多いので牡蠣開けまくってる。早く食べたい。
先にカキフライ来た。1個食べて、もう1個は後で食べる。
美味しい牡蠣のカキフライは冷めても美味しいということをカキペティア編集長に教えてもらったからだ。冷めると甘みが増すんすよ。
やってきました!海男牡蠣!
”ふわふわ”は「腹の部分のふわふわ感や甘味旨味にこだわった」とある。
まずは何もかけずにお汁(カキエキスと海水の混じったもの)をちょっと飲む。確かに甘味を感じる。そしてボウモアをちょっとだけかけてツルリと口に入れる。
広がるねー。
口の中ふわふわ。
甘味の後で旨味がぐいぐい来る。
これがセカウマ級かー!
お次は天然真牡蠣である。
これもお汁を飲む。しょっぱい。
ボウモアを垂らして一気にすする。
うめー!!!
牡蠣とボウモアの潮の香りが口から鼻に抜けてくる。海や!間違いなく海や!
すげー合う!すげー!!!
あまりにも感動したので牡蠣殻をお土産に持って帰ったよ。
牡蠣を堪能したねー。と大満足で夜のお散歩に繰り出す。
ここは最初の折り返し地点となる。スタートから16kmくらいのところ。
この時点でバテてなければいいけど。
さぁ、いよいよレース当日!
サンマリンスタジアムがスタート&ゴールとなる。
Cブロックからのスタート。スタートゲートが見えてるからそんなにタイムロスなさそう。
天候は少し肌寒いくらいで、ちょうどよかった。
今回の目標タイムは4時間半。
最初の10kmは快調。5分半/kmペース。
10kmー12kmはペースランナーを適当に見つけて、ひたすら何も考えずにペーランの足の動きだけを見つめて足を動かした。何か考えながら走ると、脳へエネルギー持ってかれるからね。
ペーランは5分/kmのペースで走ってたので、さすがにしんどくなってきて、12km以降は意識してペースを落とした。
それでも、10kmー20kmは5分半/kmペースで走れてた。
20km以降はだいぶヘバってきた。
ゆっくりでいいよと言い聞かせて7分/kmペースで走る。
30kmまでは同じペースで走れた。
時刻が正午近くになり、けっこう暑くなってきた。足もしんどい。筋肉ピクピクいってる。
スタート&ゴール地点を一旦通り抜け、青島へ向かう。
昨日ランチしたコーストライフも通り過ぎる。牡蠣を思い出す。僕の筋肉に蓄えられたであろう牡蠣のグリコーゲンを思い出す。持ってくれ!
青島の折り返しから帰ってきてる人とすれ違う。最初の頃に付いていったペーランもいた。同じペースで走れてるってすげーよ、ペーラン!
青島折り返した!日向夏ゼリーをかっこむ!美味い!けど、給食しすぎてお腹いっぱい。ちょっと胃もたれてきた。
時計を見る。あと5kmを6分半/kmペースで行けば4時間半を切れる!
ガンバロー!!!
でもお腹いっぱいなのと足が限界で、変な走り方しかできない。
前かがみになって手を横にフリフリ、ヘコヘコ走る。
姿勢なんてどうでもいい!とにかく前へ!
海岸線を走れて気持ちいいけど、そんなに景色見る余裕はない。でも写真は撮った。
40km地点まで来た。昨日下見したところだ!
給水ポイントあるけど取ったら4時間半切れん!
ひたすら走る。ボーゼンとしながら。
41km地点まで来た。時計を見る。4時間半まであと8分半。行ける!
42km。あと195m。
あと195mがなんでこんなに長いんや。しんどいやんけ!しんどいやんけ!
ようやくフィニッシュゲート見えた!
フィニッシュ!万歳!
ゲートくぐってコースにペコリとお礼をする。
タイムは4時間29分26秒。
4時間半切れたー!
いやー出し切ったー。
けど、そんなにしんどくない。普通に歩ける。
牡蠣のおかげやな。
写真を撮ってくれた通りすがりの人ありがとう!
風呂入ってさっぱりしてバスで移動、徒歩で移動。
次なる目的地へ。
田んぼの真ん中に古墳らしきものが。
そしてその先に大きな看板が。
やってきました。牡蠣小屋。
昨日のシーフードバルに続き、山下秀一郎さんのお店です。
バスに乗ってる間にFacebookでメッセして予約しておきました。
安い!
調味料持ち込み自由!
ということで、早速ボウモアを取り出す。
牡蠣盛り(中)を頼み、砂ずりと共に焼く。
サザエも共に焼く。
牡蠣を焼くときは平たいほうから。
ある程度焼けたら、ひっくり返してフタが開くのを待つ。
こうすると牡蠣汁がこぼれなくて美味しいよ!
ボウモアをかけたり、かけなかったりして食べる。美味い!
山下さんがテーブルに来てくれたので、しばし牡蠣トーク。
「昨日、海男の天然真牡蠣にボウモアかけて食べたらめっちゃ美味しかったっすよ!」
「え、じゃあ僕も試していいですか?」
と、山下さんが生牡蠣を2つ(サービスで)持ってきて、僕がボウモアを垂らす。一緒に食す。やっぱ美味い!
牡蠣飯も美味い!
牡蠣のスープで炊いて、牡蠣は後のせ。
そうすることで臭みがなくなるらしい。
結構お腹いっぱいだったけど、おかわりしちゃいました。
牡蠣スープで〆。しみるわー。
牡蠣は亜鉛の含有量がめっちゃ多い食べ物。
亜鉛はタンパク質の合成に必要なミネラルです。
こんだけ牡蠣食べればマラソンで傷ついた筋肉(タンパク質)がすぐに再生されるだろう。
最後に山下さんと2ショット。
最寄り駅まで送ってもらって何から何までありがとうございました!
牡蠣のおかげで次の日も全然元気でした!