僕はウイスキーエキスパートという資格を持っている。
スコッチ文化研究所が認定するもので、さらに上級のウイスキープロフェッショナル、最上位にマスター・オブ・ウイスキーがある。
ウイスキーエキスパートはテイスティングテストは無いが、歴史や製法、種類などの筆記試験がある。僕は2009年に取得した。
それ以来、ウイスキーのことがさらに好きになり、ウイスキーの魅力を一人でも多くの人に伝えるために、ハイボール講座を開催したり、ペチャクチャナイトでプレゼンしたりしている。
これまでに色々なウイスキーを飲んだけど、一番好きなのはラフロイグである。
家でラフロイグのハイボールを作る。その日の気分や体調に合わせてウイスキーと炭酸の割合を変える。ストレスがたまってすっきりしたいときは濃いめ、夏場の風呂上がりは薄めといった具合に。絶妙な割合のハイボールが出来たときの一口目はたまらなく美味い。もうこれで十分だといえるほどに。
バーにもよく行くが、バーテンダーさんに聞くと多くの人はウイスキーの中でラフロイグが好きだ。仕事終わりにラフロイグのハイボールを飲むと疲れが取れるという。僕も同意する。
ラフロイグは独特な香りがする。潮っぽく、海藻の匂い、消毒薬の匂いとも表現される。はじめてその香りを嗅ぐと嫌な顔をする人が多い。しかし2口目、2杯目と飲み進めるにつれ、その独特な香りがたまらなく好きになってくる。ストレートだと香りがきつすぎるが、ハイボールにすると爽やかになり、飲み込んだ後に鼻から抜ける香りはかすかにラフロイグを感じ取れる。
どんな飲み方をしても飽きないスコッチウイスキー、それがラフロイグだ。
価格:3,620円 |
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」は村上春樹がウイスキーを巡る旅行記だ。
スコッチウイスキーの聖地ともいえるアイラ島編と、ウイスキーの発祥地であるアイルランド編の2編で構成される。一緒に旅した奥さんが撮った素敵な写真も添えられている。
僕はこの本を読んで、ウイスキーエキスパートを取ろうと思った。この本を読めば誰でもウイスキーが飲みたくなる。この本を読みながら、好みのグラスに注いだウイスキーをゆっくりと飲むと至福のときが過ごせる。
だから、
もし無人島に2つ持っていくとしたら僕は間違いなく「ラフロイグ」と「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」を選ぶ。