これは、朝五時に起きてアイリッシュコーヒーを飲みながら書いた文章である。
僕はお酒が好きだ。
特に、ウイスキーが好きだ。
なぜウイスキーが好きかというと、いろいろな、本当にいろいろな理由があるけれど、
第一にあげるとしたら、
ゆっくり自分のペースで飲める酒だからだ。
ストレートは度数40度以上ある。
しかし、水と一緒に飲めばそんなにしんどくない。
むしろ、胃の中でアルコールは薄められ、翌日もつらくない。
氷をいれずにストレートで飲み続ければ味が変わらない。
氷を入れてしまうと、確かに飲みやすくなるが、時間が経つにつれ氷が溶けて味が薄まってしまい、不味くなる。
その点、ストレートはいい。
少し先がすぼんだワイングラスのようなグラスにストレートのウイスキーを注ぎ、ちびちびと飲む。
飲まない時はコースターとかで蓋をしておくと、軽い香りも充満されてて、蓋を開けた瞬間に華やかな香りを感じることができる。
飲み終わっても、蓋をしていると、ほんの一滴残ったウイスキーから立ち上る香りが充満してて、残り香を楽しめる。
ウイスキーは香りが命。
特に、シングルモルトスコッチの多様性に富んだ香りは、それぞれの蒸留所ごとに全く異なる特性を持つので、楽しい。
蓋を開けた瞬間に香る、グラスを傾けると別の香りがする、飲むと、口の中で広がる香りもまた違う、飲み終わった後に余韻で鼻に抜ける香りもまたまた違う、何度も何度もいろいろな、時とともに移り変わる香りが楽しめる。
素晴らしい酒だ。ウイスキーは。
ストレートで飲むのが一番魅力を感じられる。
ただし、そのような深い楽しみ方は最初の一杯だけだ。
もしくは、相当に長く時間をおいてから二杯目を飲んだ時だ。
もしくは、相当に相当に長く時間をおいてから三杯目を飲んだ時だ。
もしくは、相当に相当に相当に、、、四杯目以降につづく。
人によって適量はある。
僕の場合は一杯が丁度いい。
ウイスキーでいえば30ml。ワンフィンガー。
その量の酒を摂取すると、1時間くらいは心地よい酔いを楽しめる。
適度な酔いは素晴らしい。
なぜ素晴らしいのか?
それは、
恥じらいがなくなるからだ。
プライドがなくなるからだ。
自分を出せるからだ。
ありのままの自分を出せるからだ。
自由になれるからだ。
思考が豊かになるからだ。
人に優しくなれるからだ。
幸せになれるからだ。
楽しくなれるからだ。
人生は素晴らしいと思えるからだ。
世界は平和だなーと思えるからだ。
明日もがんばろうと思えるからだ。
世界は輝いていると感じられるからだ。
今、この瞬間を楽しもうと思えるからだ。
酒が愛おしく思えるからだ。
幸せそうに寝ている家族を思い浮かべるからだ。
そんなことを、朝の六時に30mlのカティサークが入ったアイリッシュコーヒー(正確に言うとゲーリックコーヒー)を飲みながら考えた。