アイリッシュコーヒー。
アイリッシュウイスキーとコーヒーのカクテル。
何を選び、どんな手順で作るかによって味が全く変わる。
コラソンのマスターに問われた。
「アイリッシュコーヒーの作り方を教えてください」と。
フルートグラスに角砂糖を一粒入れ、
アルコールランプでフランベしたアイリッシュウイスキーを額の高さから注ぎ炎のタワーを演出する。
かるくグラスを回しステアして、ドリップしたコーヒーを注ぐ。
生クリームをそっとのせて出来上がり。
アイリッシュウイスキーは3回蒸留のため、アロマはそれほど強くない。口にした時に仄かにオイリーでモルティーなのが特徴だ。
コーヒーのフレーバーを活かすならアイリッシュ、ウイスキーのアロマを主張させるならスコッチ(ゲーリック)だと、僕は考えている。
浅煎りでフルーティなコーヒーにはマッカランのような華やかなスコッチが合うと思う。
コラソンのマスターはそんな話をして以来、アイリッシュコーヒーの研究をしている。いつか金曜の夜に提供したいとのこと。
まずは、これまでの研究成果を試飲させてもらった。
コーヒーは深煎り、ウイスキーはブッシュミルズとブラックブッシュの2種類。
マスターはお酒があまり得意じゃないほうで、普通のブッシュミルズのほうが好きだったとのこと。
コラソンのマスターが編み出した作り方は、たくさんのオーダーが入った時に対応できるやり方だった。
ドリップしたコーヒーを片手鍋に入れて砂糖を溶かしておく。
片手鍋にウイスキーを入れて火にかけ、フランベ。
ウイスキーにコーヒーを注ぐ。
グラスに分け入れ、生クリームを浮かべる。
その時に店にいたお客さん分の6杯のアイリッシュコーヒーができた。
まずは普通のブッシュミルズ。
うん。なかなか美味い。コーヒーの味がしっかりしてるし、生クリームがまろやかにまとめてる。飲んだ後にブッシュミルズのモルティーな余韻がくる。
次にブラックブッシュも作ってもらった。
やはり、こちらのが美味い。
ブラックブッシュはモルトを80%以上使用してシェリー樽で熟成させた超熟タイプのブレンデッドだ。普通のブッシュミルズよりも1000円ほど高い。ブラックブッシュのアイリッシュコーヒーのほうが、よりモルティーでウイスキー感を楽しめる。余韻が長い。
同じくウイスキー好きのベッチも同意見だった。
ウイスキーをあまり飲まない人はマスターと同じく普通のブッシュミルズのほうが好きなようだ。
まぁこれは好みの問題。
普通のブッシュミルズはエントリーモデル、ブラックブッシュは上級者向けだろう。さらにウイスキー好きならばスコッチに移行しても良い。
しかし、久しぶりにアイリッシュウイスキーを飲んだ。ストレートで飲むと違いがよりはっきりする。ブラックブッシュは美味い。
ウイスキーとコーヒーの組み合わせは無限の選択肢があるなぁ。