昨日の帰りにスマホを置き忘れた。
電車の乗り換えの時に気づいた。
さっき乗ってた電車に置き忘れたっぽい。
カバンもポケットもよく探して、
家に帰って全ての荷物を出してチェックして、
スマホがないことを確認した。
絶対に、最初に乗ってた電車に置き忘れた。確実に。
鉄道会社のHPをみたら、忘れ物は翌日には主要駅の忘れ物センターに届けられるらしい。
終電も過ぎてたので、明日、連絡してみることにした。
見つからなかったらどうしようとドキドキしながら寝た。
いつもスマホで目覚ましをかけてたけど、なかったので、腕時計のアラームで代用した。
いつもと違うアラームで起きた。違和感。
忘れ物センターの営業時間が始まった9時頃に電話してみた。
スマホの種類とケースの色や柄を伝えた。
同じようなものが届けられているとのことだった。
安心した。
でも、現物を確認するまでは分からない。
昼過ぎに駅に届くとのことだったので、その時間に合わせて電車に乗った。
スマホがないから手持ち無沙汰だった。
電車の乗り換えの時間も事前に調べておかないといけなかった。
いかにスマホに依存しているか思い知らされた。
スマホの情報収集力に依存して、僕自身は情報弱者になっていることに気づいた。
忘れ物センターは駅構内の片隅にひっそりとあった。
気づくのに時間がかかった。
構内地図をよーく見て、ようやく見つけた。
名前を告げると、スマホを持ってきてくれた。
おー。
半日ぶりの対面だった。うれしかった。
でも、充電が切れてるようで、電源が入らなかった。
充電器をもってないので、家に帰るまでスマホは使えない。
お腹がすいたので忘れ物センターの隣にある喫茶店で、サンドイッチとコーヒーを注文した。
昔ながらの喫茶店で、新聞がおいてあった。
久しぶりに新聞を読んだ。
おじいさんやおっちゃんも新聞を読んでいた。
スマホの画面越しではなく、新聞紙からニュースを得るというのは久しぶりの体験だった。
ブルーライトカットのフィルムを貼っていても、スマホの画面を見続けるのは疲れる。
新聞は見るのは疲れない。持つのが疲れる。
サンドイッチは美味しかった。塩をかけるとさらに美味くなった。
コーヒーは深煎りで、しっかりとした苦味とコクがあり、飲みごたえがあった。
スマホで電車の時間を調べられなかったので、適当な時間に喫茶店を出て、駅に向かった。
5分後に目的の電車がやってくるところだった。待ち時間が少なくてよかった。
行きと同じく、1時間かけて電車に乗って家に帰った。
本を読んだり、居眠りしたり、外を眺めたり、
家に帰ってスマホを充電した。
よかった。壊れてなかった。
また、スマホの画面を見る生活に戻った。
便利な生活に戻った。
でも、スマホがない生活も良いものだなと思った。
でも、もう置き忘れたくはないなとも思った。