猫のことを思う。
保護猫は二つの選択を迫られる。
殺処分されるか、飼われるか。
野良猫は捕まえられたら二つの選択を迫られる。
保護猫となるか、飼い猫となるか。
野良猫は捕まえられなければ自由だ。
森でネズミを獲ってもいいし、人間から餌をもらってもいい。
しかし、自由にはリスクが伴う。
都会に行けば餌をもらえる率が高くなるが、車にはねられたり、人間に捕まって殺処分になるかもしれない。
一方で、保護猫から飼い猫になり、一生室内に閉じ込められるケースもある。去勢させられ、避妊させられ、子孫を残すことが出来なくなる可能性も高い。
餌は十分に与えられるかもしれない。病気になったら病院に連れてってもらい、長生きする可能性は高くなる。
多くは飼い猫だ。自由ではないが長生きができる。愛玩動物として、人間に可愛がられる。
空き地や島で見かける野良猫は痩せっぽちだ。人間に媚びれば餌はもらえるかもしれないが、それを断たれれば自力で獲物をとるしかない。野良猫は飼い猫ほど長く生きられないだろう。
それでも子を産み育てる。
機会があれば発情し、交尾をする。
どちらが幸せかは分からない。
ただ猫はそこにいる。
人間の見方が変わるだけだ。
猫は猫なのだ。
動物愛護とは人間のエゴなのだ。
人間が愛するものだけを護り、愛されないものは排除される。
それが人間と関わる動物の定めなのだ。
猫は猫なのだ。