台風で延期され、11月5日に京都・東山の金剛寺で行われた「燈明の夕べ」
僕はお寺に合うウイスキーをチョイスした。
その理由は後で詳しく述べる。
燈明の夕べ in 金剛寺のチラシ
オープニングアクトは、みやこ・キッズ・ハーモニーによる「わらべ歌」
幼稚園から高校生くらいまでの女の子たちが、お揃いのリボンを着けて、「京都の通り名の唄」や「地下鉄烏丸線の唄」など、京都らしいわらべ歌を披露してくれた。
わらべ歌が終わったらバーもオープン。
おつまみはササミとナッツ、レーズンの燻製セット。
特に、ササミはいい感じで燻されている。胡椒も効いててウイスキーにぴったり。
ウイスキーは僕が用意したラガブーリン16年、キルホーマン サナイグの他に、マッカラン12年、ハイランドパーク12年も持ってきてもらえた。
これでどんなリクエストにも応えることができる。
アルコールが飲めない人はコラソンさんのハンドドリップコーヒーと、抹茶タルトがベストマッチ。
やがて、アコギの弾き語りも始まる。スパニッシュやメキシカン風の音楽が心地よい。
7時からは怪談も始まる。
わらべ歌の子供たち、そのお母さんたち、ギター&ボーカル、怪談士、おっちゃん、おばあちゃん、お坊さん、いろんな人がお寺に集まる中、僕はハイボールを出す。
そのコンセプトは「多様性と継承」だ。
「あっさりしたのがいいです」「飲みやすいの」とオーダーされれば、フルーティなマッカラン12年をお出しする。マッカランは香りもボトルの形も女性的でお母さんを想起させる。
「スタンダードなものを」「ちょっとピートのあるものを」という要望であれば、ハイランドパーク12年。ハイランドパークはどっしりしたボトルで渋いお父さんといった印象である。
よりウイスキー好きな人には、キルホーマン サナイグからのラガブーリン16年をオススメする。
両者はどちらもアイラ島のウイスキーでピート臭が特徴的、香りのベクトルとしては同じだが、熟成年数が決定的に違う。キルホーマンは3〜5年熟成の樽を混ぜ合わせ、ラガブーリンは16年以上熟成の樽を厳選している。
いわば、これから伸びる可能性に満ち溢れた子供と、酸いも甘いもあらゆる経験をした老人である。子供は老人から学び、時代を繋いでいくのだろう。
老若男女、多様な人がお寺に集まる「燈明の夕べ」に相応しいウイスキー達を披露でき、無常の喜びである。
Whisky worth spreading.