学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

神戸市「世界一のクリスマスツリー」で損なわれた「ほぼ日」のブランド価値

僕は「ほぼ日」のファンである。

 

98年の創刊当初からのファンである。

 

糸井重里のことをダーリンと呼ぶ。

 

ほぼ日の本もたくさん買って読んだ。

 

「調理場という戦場」を読んで就活の時に元気付けられた。

 

「知ろうとすること。」を読んで原発の現実や物理学の素晴らしさを知ることができた。

 

ほぼ日手帳もほぼ毎年買ってる。

 

 

 青山をぶらついてた時にTOBICHIとTOBICHI2を見つけてテンション上がった。

scotchhayama.hatenablog.com

 

それほど好きだった「ほぼ日」は昨日、損なわれた。

 

 

きっかけは富山県氷見市に住む友人がFacebookでシェアしていた記事だった。

ameblo.jp

 

これを読んで、

木を殺す神戸市

という感想が湧いた。

 

友人からの指摘もあり、よくよく読んでみると、なんとかハンターってお兄さんと実行委員がやらかした模様。

 

クラウドファンディングで資金を募り、ギネスに挑戦するらしい。

www.makuake.com

 

しかも、氷見から連れ去られた木は最終的にこんなものになってしまう。

contents-fs.multilingualcart.com

f:id:ScotchHayama:20171121213729j:plain

 

せっかく樹齢150年まで生きてきたのにひどい扱いだ。

 

せめて樽にしてウイスキーを熟成させたらいいのに。そうすればもう50年はウイスキーと共に生きていける。その香りはウイスキーに移り、飲む人を幸せにしてくれるだろう。

 

そして、友人の投稿のコメント欄に誰かがこの記事を貼っているのを見つけた。

www.1101.com

あの「ほぼ日」が植樹の様子をライブ中継しているのだ。

 

冒頭に、プラントハンターのメッセージが掲載されていた。

しかし、プラントハンターがいまの時代に
世界を変えることができたとしたら、
それは植物を運ぶことで、
現代人が忘れがちな、
大切な「気付き」を与えること
なのではないだろうか。 

 氷見の山奥で150年生きてきたあすなろの木が掘り起こされ、神戸の風の強い海沿いで植木鉢に移され、人々にさらされ、変な飾りを付けられ、好奇の目で見られ、役目が終わったらヘンテコな玉に削られ、やがて捨てられる、そんな無残な未来を予想して、怒りを覚えた。それは大切な「気付き」なのだろうか?

 

「『あの木は生かすべきだ』とか
『ただの人間のエゴだ』とか、
そういう意見が出ることを、
ぼくはいいことだと思っています。 

 

いいことだと?

 

ぼくがひとつだけ
いいたいことがあるとしたら、
どっちの意見が正しいとか、
間違ってるとかじゃなくて、
『そういう話をみんなでしようよ』
ということなんです」 

 

みんなで?

 

1本の木を見て、
いろんな人が、
いろんなことを思う。
ぼくの本当のねらいは、それなんです」

 

そのために樹齢150年の木が犠牲になるのか。

プラントハンターのエゴはすごいな。

 

そんなプラントハンターを持ち上げる「ほぼ日」に、強烈な不信感を抱いてしまった。

 

過去のプラントハンターの記事を読み返して、

ほぼ日刊イトイ新聞 - はじまりを、はじめよう。

 

樹齢500年のオリーブの前でポーズをとるダーリン(糸井重里)にも不信感を抱いてしまった。


このオリーブも本来あるべき場所に居続ければ幸せだったろうに。長い航海の上、なじみのない土地に無理やり押し込められ、おじさんにペタペタ触られるなんて。

 

この人は、これまで素晴らしいインタビューやコラムを書いてきたけど、人間が好きなだけであって、本当の自然というものは好きじゃないんじゃないか?

 

そう思ってしまった。

 

すーっと離れていく感じがした。

 

たった1日で、ひとつの出来事で、長年積み上げてきたブランド価値は損なわれるのだなぁ。