学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

「はじめてのファシリテーション」出版と重版を祝う会に参加して得た学び

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「はじめてのファシリテーション」出版と重版を祝う会に参加してきた。

facilitators-book.peatix.com

 

ほら貝で始まる。

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「はじめてのファシリテーション」の編集者である嘉村賢州さん、谷口知弘さん、著者の一人で「場づくり」「ファシリテーション」といえばこの人・中野民夫さん、インタビュワーは著者の一人でインタビューのプロ?の西尾直樹さんの4名による「ファシリテーションのこれまで」を語るトーク

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中野さん:この場所(Impact HUB Kyoto)はいいよね。窓から比叡山大文字山が見える。明日の朝は比叡山大文字山の間から朝日が昇る。楽しみ。

2003年はファシリテーション元年。日本ファシリテーション協会が発足。

 「一万年の旅路」はネイティブアメリカンの口承史。輪になって語り合う。そんな要素がファシリテーションに通ずる。

 

谷口さん:もともと工業デザイン学んでいた。使い手と一緒にプロダクトを作ろうということをやっていた。やがてまちづくりにも関わるようになり、京都では嵐山さくらトイレのプロジェクトに関わる。「まちづくりゲーム」の著者・ヘンリー・サノフを招いて京都で研修会を開催。この詳細は本書の結びに書いてある。

 2002年に中野民夫さんの「ワークショップ」に出会う。すごい!

我々は第1世代。第2世代は嘉村さん達。嘉村さんとは2008年に出会う。世代のギャップを実感。嘉村さんのhomes viは出島。第1世代は鎖国。私は出島で学ばせてもらった。

 

嘉村さん:もともとADHD気味。探求型ワークショップに救われた。ADHDでも馴染める場づくりって何だろう?とずっと考えていて、参加型のワークショップやファシリテーションを知った。でもちょっと離れて試行錯誤していた。転機は1000人で1か月のカンファレンスの依頼。実現はしなかったが、そこから本格的に学んだ。オープンスペーステクノロジーで感動。「人を信じましょう!」「信じれば何かが立ち上がる」「余計な介入をせずに場を応援する」

 

中野さん:実践家がこれだけいるってのが京都の宝。時流に流されずに本質的なものを大切にする京都の人たち。場づくりカレッジで24人の菩薩が生まれた。

 

谷口さん:100人委員会でたくさんの人が育った。信じて仲間と共に、学び合い分かち合う場ができた。何か問題を解決するよりもまずはお互いを知り、学び合うことが大事。

 

嘉村さん:大人数で話せるツールが発達してきた。話し合いが言葉を超え始めている。感情やアート。専門×ファシリテーターがたくさん出てきている。二人でお互いを補い合うコ・ファシリテーションも流行っている。ITツールを利用して、Zoomで読書会なんかも出来てきている。

 

中野さん:ツールといえば「えんたくん」ぼくが開発した。パッと使えてとても便利。

定期的に根気強く、人と話すことの面倒くささと楽しさを味わう。

 

少しの休憩をはさんで、プロアクションカフェ×メソドロジーカフェ。

まずはファシリテーションの手法について、その著者の人を囲み、お話を聞き、質問をして深めていく。

 

僕は中野民夫さんの「空間(場)の具体的な作り方」(本書p44)のテーブルへ。

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自分たちがつくりたい場をつくろう。ゼロベースで考える。

どうしても空間(場)の制約から考えてしまうが、目的から考える。

場は、「物理的な空間(机やイスの配置など)」と、「人と人との(心理的な)関係性」で決まる。

人と人との関係性においては、導入時のオリエンテーションが大事。

オリエンテーションは、OARR

O:Outcome ゴール

A:Agenda プログラム

R:Role 役割

R:Rule グランドルール

 

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 参加型にするにはグループサイズが大事。グループを小さくして、最小単位は2人にして他己紹介をするとグッと参加意識が高まる。

大事なことは、

・場づくり

・グループサイズ

・問い

見える化

・PD(Program Design)

 

詳しくは「学び合う場のつくり方」に書いてある。

 

 

次は実践例の著者のテーブルについて、詳しく聴く。

僕は下京区の「松原フューチャーセッション」の事例(本書p186)へ。

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松原通自治連からの依頼。「松原通をどうしていきたい?」という問いからスタート。いろいろなアイデアが出たが、パンやクラフトビールといった名物づくりと、通りに賑わいを生み出す「松原通の駅」を実施。

自治連が地域の問屋さん1件ずつ回り、知ってる人から声かけて集まっていった。

松原通に新しく入居した企業「和える」の協力もあり、クラフトビールのラベルデザインが完成するなど、今までの活動に縁がなかった人たちに参加してもらうことができた。

コーディネーター(著者・天岡さん)や下京区役所の人たちの介入・調整・ファシリテーションで回った。 

 

最後のワークは「ワールド・カフェ」

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お題は「2冊目は?柳の下のドジョウを探そう」

 

第1ラウンドの問い:「『はじめてのファシリテーション』が人気の理由は何だろう?」
第2ラウンドの問い:「次は、どんな本をどのようなやり方で作りたい?」
第3ラウンドの問い:「アイデアを次(2冊目)に繋げよう!」

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最後に各テーブルでアイデアorキャッチコピーを考えて発表。

僕は帰らなければならない時間になったので途中退出。

 

スナックも参加したかった!

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この本は知り合いが何人も著者にいるし、手法がまとまっているし、実践例が身近にあるし、スルメのように噛みしめながら、何度も楽しもうと思う。