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【全11回】ウイスキーの小ネタ3「シェリー酒」

今日のウイスキー小ネタ3は、ウイスキーとも関係が深いシェリー酒について掘り下げてみます。
 
「知っておきたい酒の世界史」より、「大西洋航路が育んだシェリー酒」の節について、抜粋して紹介します。
 
 
シェリー酒はスペインのアンダルシア地方で生まれた酒です。
 
アンダルシアはアメリカへの大量移民の中心となった町で、多くのアンダルシア人が黄金郷(エル・ドラド)を求めて移住したといわれています。
 
大西洋横断という長期にわたる航海に耐えられるように、ワインに蒸留酒のブランデーを加えて腐敗を防いだのがシェリー酒なのです。
 
ブランデーを添加してアルコールの度数を15度から22度に上げ、ワインが空気に触れる状態で熟成させるのが特徴です。
 
造り方としては、糖分を高めるためにブドウを1,2日天日干ししてから発酵させ、酸味と抗菌力を増すために途中で石膏が加えられます。アルコール発酵後、ワインの表面にできる「フロール」と呼ぶカビの花(皮膜)を利用して風味を出し、ブランデーを加えて発酵を止めます。
 
そして樽で熟成させることで「古酒」の香りと重い味が醸し出されます。熟成期間は最低でも3年、長いものは30年以上にもおよびます。
 
 
このシェリー酒の空き樽を使って熟成させるのがウイスキーです。シェリー樽で熟成させたウイスキーはフルーティで濃厚な味わいとなります。

 

次回は日本のウイスキーの父・竹鶴政孝と彼を支えた妻・リタ(ジェシー・ローベルタ・カウン)の物語について紹介します。

 

前回はこちら

scotchhayama.hatenablog.com