行正り香の「カクテルはいかが?」
カクテルの写真に惹かれた。
カクテルレシピ本は持ってるけど、それに合わせる料理も載ってるのがいい。
そしてそのチョイスも意外性があっていい。
カクテル毎にそれにまつわるエッセイが添えられている。
「オールドファッションド」では、こんな文章に目が止まった。
'まずホテルに着いたらイベント情報をゲットして、ベッドに寝転がります。最初に見るのはジャズ・セレクション'
そうか。海外出張の時に持て余した時間の使い方としてジャズバーはいいなと思った。
トロントのジャズバーで著者が大学時代によく聴いたオスカー・ピーターソンが演るジャズバーに行ったという話だった。
憧れのピーターソンの演奏中にお代わりするのが憚るのでと注文したカクテルが、度数の強いオールドファッションド。
2日連続で聴きに行ったらピーターソンが気づいてくれて、
彼は「日本人だよね。僕はね、日本人の観客が大好きなんだ。ジャズに敬意を払っている国民だから。僕こそThank you」そう言って笑顔を返してくれた。
そういう素敵な話だった。情景が目に浮かぶ。
僕も、そういう素敵な夜を過ごしたい。
オールドファッションドに合わせるおつまみとして、オイルサーディンのねぎ焼きと、ストロベリーのチョコレートがけを紹介していた。
こんなおつまみがバーにあったらいいのに、といつも思う。
そうしたら女性も、もっとお酒の席が楽しくなるかも。
そんな言葉が添えられていた。
写真も文章とセンスがいい。
この人とバーで飲んだら楽しいだろうな。
全部で24のカクテルがエッセイと料理と共に紹介されている。
図書館で借りた本だけど、買って自分のものにしたくなった。