もともとはこちらの記事を読んで
「ソーシャル・イノベーションとは何をすることなのだろう?」ミラツク代表・西村勇哉と京都産業大学・大室悦賀教授によるダイアログ | ミラツク
京都ソーシャルイノベーション研究所のことが気になり、サイトを見に行ったら見つけたイベント
京都駅そばのキャンパスプラザで開催、ライフネット生命創業者で立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任した出口治明さんの基調講演があるというのに惹かれた。
出口さんのお話は30分だけだったけど、非常に感銘を受けた。
なぜAPUの学長になったか?
→APUは日本で初めて学長を公募した
→誰かが推薦してくれたのでなった
大学ランキング、APUは西日本の私大でNo.1、全国で5位、なぜか?
→グローバル・多様性
人間は見たいものしか見ない
安倍さんを良く言う人もいれば悪く言う人もいる。みんな色眼鏡で見ている。
多様な見方を養うためには「タテとヨコと算数」が必要。
タテは歴史、ヨコは今の繋がり(グローバル)
タテ(歴史)の話
人間の脳は1万年進化していない。
一番古い文明はシュメール人のメソポタミア文明と言われている。紀元前5500年くらい。
シュメール人の神様は泥をこねて人間をつくった。人間が増えてくると泥をたくさんこねないといけないので神様も疲れる。疲れたときはビールを飲む。ビールを飲んで酔っ払った神様は泥をこねる時に失敗してしまう。そうしてハンディのある人が生まれた。
そのように考えられていたのでシュメール人はハンディのある人も自然と受け入れて社会をつくったという。
多様な生き方・働き方を実現する組織は文明が始まった頃には出来ていたのだ。
だから今を生きる私たちは歴史を学んだほうが良いと出口さんは言う。
ヨコ(グローバル)の話
夫婦別姓は今の日本だけ。
ヨコで見ると、法律で夫婦同姓を規定している国は日本だけです。日本に対して、国際連合は夫婦別姓を認めるように3回も勧告していますが、いまだ認められていません。それなのに、「夫婦別姓は日本の文化に合わない」とか「家族制度を崩壊させる」とかの意見は、個人の思い込みに過ぎないのではないですか。
算数の話
知識は力。いろんなことを考えよう。
議論する時は「エピソード」でなく「エビデンス」で語る。
昔の俺はすごかった自慢はどうでもよくて、実際に世界ではどのようなことが起こっているのか?統計データや事実に基づいて説明するほうが良い。
道路を挟んで1%の貧困率と、51%の貧困率。その子どもたちのインタビューから入る。格差のひどい状況を明らかにして「なんやこれは? これはあかんのやないか?」と思わせておいて、その後にエビデンスを延々と続けるんです。エピソードをすべてデータで裏付けていく。ものすごい説得力なんです。
エレファントカーブは世界で共通の用語だそうだ。
エレファントカーブの鼻の根本を見た時は、先進国の中間層の所得伸び率が低いため、不満がたまりトランプが大統領になった。
しかし、象の頭に相当する中国など新興国の中間層の所得伸び率は高いため、グローバルで見た時には世界経済の調子は良いことが分かる。
日本が成長するには
日本の国際競争力は落ちている。1991年のバブル期は世界一だったのが2017年は26位まで低下した。しかし落胆する必要はない。伸び代があると思えばいい。
日本が成長するには人口を増やすか生産性を上げるしかない。人口は簡単には増えないので生産性を上げるべき。
しかし工場のベルトコンベアのような昔ながらの製造業モデルは少なくなってきており、サービス産業が隆盛である。
人間の集中力は2時間くらいしか続かないので1日あたり3、4コマしか集中力を使う創造的なことはできない。
サービス産業の顧客の7割は女性なので50~60代の役員おじさん達よりも女性がサービスのことを考えるほうがいい。
創造的な仕事をするためには「メシ・風呂・寝る」から「人・本・旅」へ転換していかないといけない。
残業して遅く帰って専業主婦の奥さんに「メシ・風呂・寝る」と言うだけのやり方では現代の変化の激しいビジネスではやっていけない。本を読んで、人に会って、いろんなところに旅をして知見を広めて多様な生き方を体感することで創造性が生まれる。同質な社会からはイノベーションは生まれない。
最後に
人はみんな顔が違う、考え方が違う、価値観が違う。
だから自分の価値観を押し付けないで受け入れるべき。
多様な生き方・働き方を実現するために、声をあげることはとても大事。
声をあげなかったら誰も助けてくれない。
変わらなくてもともと。ダメもとでやってみたらいい。
声をあげる。行動する。
3歳児神話はデタラメ。ホモ・サピエンスは集団保育で進化してきた。
オキシトシンを知る事が重要。
オキシトシンは赤ちゃんを世話をすることで出る。
脳と二足歩行の結果。科学的な根拠が大事。
質問があればTwitterやFacebookのDMか、出口さんの本のあとがきにはメールアドレスが書いてあるのでメールしてくれれば返事しますとのこと。
出口さんの本を買おうと思った。