神保町にはたくさんの本屋がある。
だが、昨今の出版不況により、多くの本屋が苦境に立っている。
姉川書店も、そのような本屋のひとつであった。
しかし、姉川書店は猫に活路を見出した。
書店内に神保町にゃんこ堂を併設し、猫の本を集めだした。
にゃんこ堂コーナーとあるが、書店内に入ってみると、6割、いや7割以上は猫の本で占められている。
猫雑貨も取り扱っている。
猫の本といっても、種類はたくさんある。
猫の写真集
猫の漫画
猫の小説
猫の飼い方指南書
猫の絵本
猫検定本
こんなにもたくさんの種類の猫本を見たのは初めてだったので、興奮した。
その中から2冊の本を選んでレジに行った。
店主のおじさんはとても丁寧に本を扱ってくれた。
「カバーをかけますか?」と尋ねられたので、
「(もちろん)お願いします」と答えた。
カバーはオリジナルだった。素敵だ。
店主のおじさんはとても丁寧にカバーをかけてくれた。
最近他の本屋で買った本はカバーのかけ方がイマイチだったので、たいへん嬉しかった。
僕が30分以上、悩んで買った猫本は、
西加奈子「きりこについて」
河合隼雄「猫だましい」
2冊とも素晴らしい猫本であった。いずれ詳細な感想を書こうと思う。
「猫だましい」のあとがきで河合隼雄がこう述べている。
(宮沢賢治の短編)「猫の事務所」は解散になったが、「猫の本屋」でも新たに設立していただきたいものである。店員はすべて猫で、猫の本ばかり売っているブック・センターなどあると愉快であろう。
神保町にゃんこ堂は、店員は猫ではなかったが、猫の本ばかり売っている愉快なブック・センターである。
故・河合隼雄も「たましい」になって訪れていることであろう。