山元麺蔵といえば京都で一番人気のうどん屋。
いつも行列。海外旅行者にも人気。平日に行っても大行列。
気合いを入れて、平日のオープン前に行ってみた。
11時開店のところを10:20に行ってみた。
店の中には既にお客さんが入っていた。
開店準備中にも関わらず、店長自ら出てきて「中に入ってお待ちください」と接客してくれた。
過去に一度来たことがあるけど、あらためてホスピタリティの高さを初っ端から感じさせてくれる。
オープン30分前には注文を取りに来てくれた。
山元麺蔵といえばゴボウ天。肉厚の山ゴボウをサクサクに揚げ、カレー塩で食べる。
前に来た時に絶対、ビールに合うと思ってたのでビール中瓶も頼む。
ゴボウ以外の天ぷらも体験したかったので、
野菜天ぷらうどんも頼む。
オープン10分前にはカウンター席に案内される。
早速、ビールと、アテに昆布の佃煮を出してくれる。些細な気づかいが嬉しい。
トイレで席を外していたら他のお客さんにはゴボウ天が出されていた。僕の分は僕が席に戻ってから出してくれる。ホスピタリティ。
で、ゴボウ天とビールが出会う。
問答無用で美味い。合わないはずがない。
ゴボウ天をつまみにビールをちびちび飲みながら、天ぷらを揚げるのを眺める。
ゴールドに煌めく綺麗な揚げ油。
そこに投入されるゴボウ天。揚げ餅。野菜。鶏肉。ジャン、ジャンといい音をさせる。
かつて、うどん屋で6年間、天ぷらを揚げてた頃を思い出す。次々と入る注文に反射的に反応する。うどんと同時同卓を目指す。きれいに盛り付ける。どんなに忙しくても美しさと美味しさを追求する。そんな事を思い出していた。
天ぷら場の奥では店長がうどんを茹でてる。手棒を振り、うどんを丼にチャッと入れ、出汁を注ぐ。ざるうどんは氷水で手早く締める。全ての動作に無駄がなく美しい。
目の前のゴボウ天を食べるのも忘れるくらい見惚れる。美しい。ただのうどんと天ぷらなのに。
やがて、天ぷらうどんが差し出される。
うどんにネギと柚子胡椒を入れる。
大葉の天ぷらを食べる。サクサク。
うどんをすする。出汁をちょっと飲む。
カツオと昆布のベースにアゴやサバの存在を感じる。イリコも入ってそう。青魚系の出汁がコシのあるうどんに合う。
菜の花の天ぷらを塩で一口食べ、残りは出汁に浸して食べる。苦甘い味わいが広がる。
舞茸はサクサクジューシー。
ナス天もっちり甘い。
芋天はアクセント。
カボチャ天は存在感あるので四口を要する。
隠れていたニンジン天で締める。
うどんはまだ半分ほど残っている。
出汁をちびちび飲む。
出汁が6割ほどになってから、山芋を追加する。
ワサビと醤油をちょっとかけてかき混ぜる。
そして、それをうどんに投入する。
山かけうどんにする。
山芋と出汁を混ぜながら飲む。
山かけうどんは出汁を楽しむものだ。
出汁を楽しむために山芋を頼んだのだ。
だから最後まで飲み干す。使命感と共に。
食後に店長からのサービスで杏仁豆腐が出た。何も僕だけじゃなく、全てのお客さんにサービスしている。ホスピタリティ。
会計を済ませ、出ていく時も店長は挨拶をしてくれる。どんなに忙しくても一人ひとりに丁寧に接客する。だから人気店なのだ。味がいいからだけではないのだ。
「昨日より今日、今日より明日のおうどんが美味しくなりますように・・」
そう、スタッフのTシャツには書かれている。
その願いは叶えられ続けていると思う。
店を出ると、平日の11時半だというのに、オープンして30分しか経ってないのに20人ほど行列ができていた。
おそらく、閉店までずっと行列は途切れることはないのだろう。
また行きたい。進化を味わい続けたい。
そう思うのは僕だけじゃないのだろう。