学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

褒められて伸びる人が他人から褒められずにヘコんだ時にやるべきこと

「私、褒められて伸びるタイプなんです」

そんな人は多いと思う。

 

マズローの欲求五段階説で言うところの四段目「承認欲求」を求めている。

かくいう僕も褒めてもらいたい人だった。

 

だが、40過ぎのおっさんになり、家族から褒められることはまず期待できず、上司や同僚からも過度の期待はできない。

 

そもそも日本人は褒めるのが下手だと思う。

 

「こんなに頑張ってるのになんで褒めてくれないの?」

「僕のことなんて誰も見てないんだ」

「私は生きていても仕方がない存在なんだ」

 

どんどんネガティブになる。

 

そんな時にやるべきこと。

それに気づいた。

すごく楽になった。

 

それは、

「自分で自分を褒めてあげる」ことである。

有森裕子さんがアトランタ五輪で銅メダルを獲った時の名台詞にも通ずる。

 

自分のことは自分が一番よく分かっている。

自分が頑張ったことは自分が一番見ている。

誰にも見向きもされていなくても、自分は自分を見ている。

それがまだ納得いかなかったとしても、その努力は認めてあげるべきだ。

自分で自分を褒めてあげると、すごく楽になる。

 

他人が何を言おうが、どのように振舞われようが、気にならなくなる。

 

僕は先日、60人が参加する講演会+ワークショップの事務局兼ファシリテーターバーテンダーをした。

 

事務局としてはイベントページの立ち上げや集客、会場の手配、懇親会の手配、他の事務局メンバーとのミーティングや調整など、多くのことをやってきた。当日の会場チェック、細かい抜け漏れがないかも確認し、フォローした。

 

ファシリテーターとしては「beの肩書きワークショップ」を初めてフルバージョンでやれることになり、60人という過去最高の参加者ということもあり、これまで何回かやってきたショートバージョンで不満が出ていた部分を埋めるべく、資料に補足説明や解説を追加した。他の事務局メンバーの意見も取り入れ、より分かりやすくした。当日はワークショップ前の講演内容を踏まえて、それに上手く繋がるように資料の手直しをした。前に立った時の緊張を和らげるため、生命の水(ウイスキー)を少量飲み、適度な酔いで頭と体をほぐした。前に立ち、丁寧に説明し、時おり参加者へ問いかけ手をあげてもらい、会場の雰囲気や参加者の構成、興味関心がどこにあるかを把握していった。

これまで経験してきたファシリテーターとしての役割りを見つめ直し、参加者の不安を取り除き、小さな穴も見逃さず埋めていった。

時間は想定していたものより長くなってしまったけど、満足度は高かったように思える。

 

そして懇親会である。ウイスキーエストロとしての宣伝をワークショップ時にしすぎたせいか、いつもより多くの人がハイボールを求めてきた。開始から1時間ほどは休む暇なくハイボールを作り続けた。お客さんの目を見る余裕もなくハイボールのクオリティを落とさないように注意した。他の事務局メンバーからのヘルプを要請する暇もなく、空きペットボトルを捨てに行くこともままならず、イライラが募った。割れたガラスで指を切り出血するトラブルにも一人で対応した。みんな酔っ払い、交流することに意識がいき、僕のことなんて構っていないように感じた。誰も味方がいないように感じた。

僕が手配したケータリングの食べ物も一切口に入ることは無かった。普段やっている懇親会では誰かしら僕に気にかけてくれ、食事など持ってきてくれるのだが、この日は誰もそのような振舞いはしてくれなかった。

 

懇親会が終わり、片づけをして僕が担当する分は回収してしかるべきところに戻した。このあときっと二次会的なものがあると思ったが、あえて一人で慰労会をした。

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天一のサービス定食(ラーメン+チャーハン+ギョウザ)と瓶ビール。

「ラーメンはこってりとあっさりどちらになさいますか?」

「(もちろん)こってり!」

「にんにくは入れていいですか?」

「(もちろん)はい!」

 

こってりにんにく入りラーメンとチャーハン、ギョウザを食べながら瓶ビールを飲む。

今日の自分の頑張りをかみしめながら、自分を褒めてあげながら。

「よく頑張った!」

ポジティブフィードバックでランニング

大阪マラソン2019にチャリティランナーとして出場する。

 

目標をサブフォー(3時間代で完走)にした。

 

僕のベストタイムは3時間半だが6年前の30代の頃の話である。

 

40代になり、練習量が少なくなり、酒の量が増えて、タイムは落ちる一方である。

 

最近は5時間くらいになった。

 

久しぶりにサブフォーを目指し、練習に取り組んでいる。

 

しかし、酒の量は相変わらずで、練習を怠ける日々を過ごしている。

 

今日は久しぶりに朝ランをした。

 

5時前に起きたので長い距離を走ろうと思って、12kmのコース設定にした。

 

家から2kmの地点で折り返し、家を過ぎて反対方向へ4km走って折り返す。

 

そう思って走り出した。

 

最初の2kmは快調だった。

しかし折り返し2kmを走ってるうちに「もう4kmでいいや」と思ってしまった。そこからはペースが落ち、途中で歩いたりもした。

 

そんな時、

「12km走ろうと思ったのに4kmしか走れなかった」

と思うより、

「久しぶりに走れた」

「朝早く起きれた」

「4km走れた」

「汗かいた」

「シャワー浴びてコーヒー飲めた」

「ブログ書いた」

「鳥の声が聞こえる」

「扇風機が気持ちいい」

「元気」

「のんびり朝の時間を過ごせる」

といったポジティブなことをたくさん挙げていくといいと思った。

 

なんかまた走りたくなった。

 

 

43歳の誕生日の過ごし方

誕生日の前日にLGBT団体の6周年パーティがあり、ハイボールを出した。

15時から20時まで。

長時間だったので僕もかなり飲んだ。

20時に帰ったはずが、楽勝で帰りつくはずが、なぜか途中の駅で終電になり、仕方なく近くの駐車場の片隅で寝た。リュックを枕に砂利の上で寝た。

 

4時くらいに起き、地下鉄の始発まで近くのベンチで寝た。

 

6時半くらいに家に帰りつき、風呂に入って7時半くらいまで床で寝た。

 

がんばって朝ごはんを食べ、メイカーズバザール大阪の準備をし、家族から誰にも「誕生日おめでとう」と言われることもなく、再び大阪へ出発。

 

10時前ギリギリにATCへ到着。

ブースが分からず迷い、近くの人に教えてもらい、設営。

二日酔いがひどい。テンション低い。

 

テンション低いながらも知り合いがたくさん声をかけてくれるので嬉しく対応。

 

結局、終了時間まで二日酔いが治らず、胃が荒れまくってるのを感じる。

 

18時半くらいに家に帰りつく。

「ケーキ買っといてねー」と家族にLINEしてたが既読スルーされてたのでドキドキしながら「ただいまー」と言った。

「帰ってくるとは思わなかった」と言われた。コミュニケーションミス。

でもケーキは買われてた。

 

胃はだいぶ落ち着いてきたのでディナーの麻婆ナスと餃子と味噌汁は食べれた。

 

ケーキは少し胃が落ち着いてからかなと思ったので、スプラトゥーンの最終フェスをして腹ごなしをした。寝不足のため負け続ける。ゲーム中にケーキの準備が着々と行われ、僕以外の家族が食べ始める。おざなりな「誕生日おめでとう」を聞きながらフェスを続ける。なお負け続ける。あきらめる。

 

遅ればせながら家族とケーキを食べる。ホールではなく個別のケーキ。ロウソクは無し。誕生日プレゼントも無し。あとで自分で買おう。

 

風呂に入って小説を少し読み、選挙の結果を気にしつつ、21時過ぎに寝る。

43歳は飲みすぎないようにしようと心に誓いながら。

 

 

マゴーソニック2019で服部緑地と真心30周年を堪能した。

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マゴーソニック2019@服部緑地野外音楽堂

 

服部緑地は広い。すげー広い。

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会場は13:15からだったので、11:45くらいに着いてランニングすることにした。

 

小雨が降る中、原っぱではBBQをしている人がたくさん。楽しそう。

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森を抜けるとスポーツ広場があって、外周を走っている人がたくさん。

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レストラン。

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飲み放題が魅力的だが、立ち寄らず。

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池はいいよね。

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リバーサイドの黒松並木も走れる。

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西中央広場の南にある山ヶ池は蓮の花が見ごろだった。蓮華は本当にレンゲだ。

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ヌートリアもいた。水草食ってた。カピバラの小さい版だな。

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円形花壇。

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こういうところにある変てこモニュメント好き。

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いい感じの時間になったので会場に戻る。

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30周年かー。

 

真心ブラザーズ

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僕が21歳の頃に彼女(今の嫁)とライブに行ったのでもう20年以上もファンである。

彼らの活動の3分の2を共に過ごしている。

子供が出来てからは嫁と一緒にライブに行くこともなくなり、最近はもっぱら一人で行くことが多い。今日も一人。気兼ねなく楽しむ。

 

会場を待ってる間に雨が強くなってきたので、フードタオルを購入。あとですげー役に立った。

https://www.sma.co.jp/s/sma/news/detail/84666?ima=0000#/

フードタオルは、小雨対策や日焼け防止に、野外イベントにぴったりなアイテム。

 

13:15会場。整理番号順に案内される。1277番だったので30分くらい待った。

 

チケットとドリンク代500円を用意し、入場。

ドリンク引き換えは生ビール。

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ランニングで喉が渇いてたのですぐに無くなる。

 

ホットドッグを買い、半分ほど食べて追加のビールが飲みたくなる。

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 真心30周年クラフトビール

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桜井さんの友達が造ってるらしい。

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雨上がった。

最初のステージはチャラン・ポ・ランタンアコーディオンとヴォーカルの姉妹ユニット。

www.youtube.com

歌めちゃ上手い!アコーディオンだけでこんなに聴かせるってすごい!

 

写真OKと言われたので撮ってみる。

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衣装はお母さんが作ってるらしい。

 

二組目は藤巻亮太

www.barks.jp

ウイスキーが、お好きでしょ」を歌った。

ウイスキーが好きになったのは30代から。世界を旅していてアフリカのジャングルで山崎を飲んで「美味しいなー」としみじみ思ったらしい。

MCでレミオロメンのボーカルということに気づく。

真心の紹介でもいってたけど、やっぱ歌上手い。

「3月9日」も歌ってた。

www.youtube.com

 

休憩時間にお腹が空いたのでひよこ豆と豚肉のキーマカレーとビール。食欲が増進される味。

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三組目は椎木知仁(My Hair is Bad

全然知らなかったけど、ヒモの歌がよかった。

 アンサーソング「元ヒモとして」も歌った。

歌上手い系ではなく、メッセージ+ハスキーボイス系。

 

四組目は峯田和伸銀杏BOYZ

峯田君は「アイデン&ティティ」の頃から気になってたけど、初ライブ聴けて良かった。

https://www.youtube.com/watch?v=XoNsFHBvciw

www.youtube.com

 

長いTシャツで登場。早々に脱いで裸で演奏。

「雨が降ってきましたね。もっと降ってみんなずぶ濡れになればいい!」と宣言通り、どんどん雨がひどくなる。最高!

会場に突入。真ん中で熱唱。

歌詞が熱い。存在が熱い。

NHK大河「いだてん〜東京オリムピック噺〜」で坊主にしてるけど、坊主は恥ずかしいらしい。収録終わったから伸ばせると思ったけど、総集編で再録が必要(捕まった人との共演が多いので)で、まだ坊主にする必要があるらしい。ライブ終わったらスナフキン帽子被って退場した。

 

五組目はトータス松本!友情出演。

バイザイをハーモニカだけで歌い上げる。最高!

www.youtube.com

 

最後に真心ブラザーズ登場。

ゆるーい感じで始まる。ゆるーいから30年続いてたよねー。

今日は他の五組と同じくアコースティックのみ。

https://tower.jp/article/feature_item/2019/06/17/0707

tower.jp

今度発売されるトランタンの楽曲を中心に。トランタンはファン投票で曲が決まったらしい。

桜井さんの楽曲は唯一「今しかない、後がない」from KING OF ROCK

 桜井さんは歌下手なのに魅力的な曲を作る。ギター超カッコイイ。

 

 

最後はみんな集まって「カントリーロード」と「空にまいあがれ」

www.youtube.com

 

「空にまいあがれ」は名曲!

雨空だったけど楽しかったなー。

 

緑地公園駅には駅ビルがあって、ずぶ濡れのTシャツとパンツを着替えて豚骨ラーメンとチャーハンと瓶ビールを堪能して帰った。満足!

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濱口秀司さんの論文集「SHIFT:イノベーションの作法」を読んで思うこと

この記事を読んで濱口秀司さんの本を買った。

濱口秀司さんに聞く「イノベーション人材の教育法」:
「教える」なんておこがましい。自分を殺せる刺客を作れ

https://diamond.jp/articles/-/206574 

 

結構高かったけど、電子版しか無かったけど、非常に良かった。

僕は5、6年前から濱口さんのファンで、彼にウイスキーを飲んでもらったこともある。

 

買って半分ほど読んだ時に濱口さんからFacebookでメッセージもらった。

ハーバードビジネスレビュー
の論文集(電子版only)が発売になりました。新幹線など長時間移動
のお供にぜひ!(すぐ眠れます、笑)

印税は全額寄付だそうである。

https://diamond.jp/articles/-/206574

「論文集であれば、“本”ではない」という定義が僕の中にあったんですけど、頭の中では(これでよかったのか?)とグルグルしてしまって、(印税は寄付しよう、それならいいんだ)と自分を納得させました。

 

「SHIFT」には過去の濱口さんの考えやアイデアが詰まっている。

 

序文は「日本人イノベーション最強論」で始まる。

https://logmi.jp/business/articles/78432

 

第1回 イノベーションは誰でも起こせる

SHIFTという考えを使えば。

https://diamond.jp/articles/-/206593

 

第2回 SHIFT領域の考え方

SHIFTを起こす対象となるのはビジネスモデルとテクノロジー、コンシューマーエクスペリエンスの3領域である。

 

第3回 バイアスを破壊する

イノベーション発想のセオリー

youtu.be

 

本書ではイノベーティブな発想の3要件が記載されている。

①見たこと・聞いたことがない  
 あるアイデアをみんなに見てもらった瞬間に「あ、これ知ってる」と言われたらイノベーティブではない

②実行可能である
 ビジネスである限り必要条件。例)iPhoneを五億台使って月まで到達させようPJは実現不可能

③議論を生む
 すべての人が「すぐにでも商品化しよう」と賛成したら、常識の範囲を超えていないということである。明確に反対派がいなければならない。

第4回 問題の本質から強制発想する

コンセプトとはアイデアと切り口を合わせたもの

 

切り口とは論理的で構造的な見せ方のこと
 切り口をセットにして語ることで、そのアイデアの強さを、論理的かつ構造的に示すことができ、相手の理解が得られやすくなる。

 

イデアと切り口をセットで語る→具体と抽象を提示する
 具体(アイデア)の完成度が低かったとしても、抽象(切り口)を説明することで斬新さが伝われば、後に完成度を高めていくことはできる。
 抽象(切り口)を語るだけで、具体(アイデア)が伴っていなければ、アイデアを議論のテーブルに載せることすらできない。

 

イノベーション発想の3つの作法
①バイアスを構造化(可視化)する
 アイデアの背景にある条件によって2軸で考える
 「これはトレードオフか」という仮説を立てる
  例)美味しい料理は高い、小型化すると機能が損なわれる

②バイアスのパターンを壊す
 トレードオフ自体、みんなが思い込んでいるバイアスかもしれない
 構造化するとバイアスを壊しやすくなる

③強制発想する
 バイアスを壊してみて、別の道があると信じて強制発想すると新たな選択肢が浮かぶ 

 

 

事例として、東京オリンピックの国立競技場建設問題を考察していた。

①総工費

国民感情

③デザイン(ザハ設計の実現度、ザハらしさ)

 

実際には隈研吾のデザインに置き換わったが、濱口さんの提案も面白かった。なるほどそう考えるのかーという感じ。

 

 

第5〜7回はインターナルマーケティングについて解説されていた。実際の企業ではこれが最も重要だと思われる。しかし、僕にとっては実践が難しく感じてしまい、正直あまり興味が持てなかった。会社で偉くなりたければこの章を実直に取り組んだ方がいいのだろうけど。

 

第8〜10回はエクスターナルマーケティングについて解説されている。
これらも実践するのは難しく感じたが、バーを開く時にはじっくり考えておきたい。

第8回 ユーザーの心をいかにとらえるか

マーケティングには「スナイパー型(ライフルで一つの狙いを定めて撃ち抜く)」「ハンター型(散弾銃である程度の範囲を狙って何度か撃つ)」「フィッシャーマン型(投網で広範囲を捕まえる)」の3つの型がある。これまではスナイパー型が多かったが、これからは状況に合わせて使い分けると良いと書かれていた。

また、F100(最初の100人の顧客)へのアプローチをちゃんと設計されていないと、その後の拡大には繋がらない。でもやっぱり大事なのは次のことだろう。

言うまでもなく、最初の顧客を早期に確保したいがために表現したい世界観から妥協したり、安易に折衷した商品をつくることは本末転倒である

過度に安売りをしないほうが良いということだろう。

 

第9回 誰に何をどのように働きかけるか

ここではコールマンが火災報知器市場に進出して成功した事例と、オレゴン州にあるワイナリー「ユニオンワイン」の事例が紹介されていた。

ワインの事例は非常に興味深く、濱口さんが提案した「缶入りワイン」がどのようにして成功を収めたのかがロジカルに説明されていた。

既に確立されていたストーリー「ワーカーがつくる、ワーカーのためのワイン」に合うファンクションとデザインを具現化した。

さらに、プロモーションとして「鵜を動かすには、鵜飼を動かせ」という戦略を取り、ライバルのワイナリーに缶入りワインを広めてもらうというアプローチを設計した。

実はライバルのワイナリーとは「A or B」という競合関係ではなく、「A and B」という共存関係だということに気づくことがポイントなのだろう。

 

第10回 プライシングを動的にとらえる

ここではプライシングの3つの戦略について書かれている。

①オンザライン(値下げをしない商品)、②オフザライン(値下げをしてもいい商品)、そして③ブレーク(従来の価値構造を根本的に破壊する)である。

①と②は例えばBARであれば看板商品となるカクテルは絶対に値下げをせずブランド力を保つ。一方で大量に仕入れて安く提供できるFoodがあれば期間限定で安く提供して新規顧客を獲得していくというものだろう。

③のブレークについてはUberの事例が書かれていた。Uberは最初は高級ハイヤーで初期の顧客「F100」を獲得していった。その際のプライシングが絶妙だったというのだ。

 

第11回 自由度の高いフェーズにリソースをかける

この章は面白かった。

一週間前の法則

プロジェクトが何ヶ月、あるいは一年間続こうとも、一週間前になると「そろそろ結論を出さなくてはいけない」「結論を資料にまとめなければいけない」とみんなが思いは始める。そうやって、どんなプロジェクトは終わりを迎える。

なるほど。だったら自分が関心のないプロジェクトに巻き込まれたら一週間前になるまで何もしなくて良いのだな、と思った。

 

90:10の法則

イノベーティブなアイデアの90%は、プロジェクト全体のうち開始直後10%の期間内に思いついているという事実である。

これも重要な示唆だと思う。情報がたっぷりあると余計なバイアスが働いてしまうそうだ。関心のあるプロジェクトに参加したら初日にアイデアを思いつき、それを寝かせて一週間前になったら公表しよう。

 

第12回 個人が考え切ってこそ議論の質が上がる

これはほぼ日の対談でも語ってた。

www.1101.com

チームで最高の答えを出すためには、
ひとりで責任を持って考え切ることが大事。
つまり、静かな時間が必要なんです。

https://www.1101.com/hamaguchihideshi/2017-11-27.html

 

本書では以下のように書かれている。

個人で考え切ったアイデアは、グループで議論するときに比較や統合がしやすい

これはワークショップの設計にも反映できると思った。グループワークをいざ始めると「ちょっと何言ってるかよく分からない」ことは多い。それを無くすことができるかもしれない。

 

第13回 学ぶ者が教える者を超えなければ意味がない

これは人気サッカー漫画「アオアシ」にも通ずる。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1811/30/news009.htm

nlab.itmedia.co.jp

アオアシはビジネス本にもなってる。アオアシの考え方はやっぱりビジネスにも通じる要素が多いのだ。

 

第14回はQ&Aで、その後におまけがついている。

 

これも読み応えがあって面白い。

普通のデザイン思考ではイノベーションは起こせないということを解説している。

 

「SHIFT:イノベーションの作法」を読み終わって思うこととしては、これは複数人で読み解いた方がいろんな解釈が出て面白いだろうなーということ。

そのためにはABD読書法が最適なんだけど、電子版しかないので物理的に分割するのが出来ないのが残念。

まぁ色々試してみよう。