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誰が自殺を思いとどまらせるのか?

誰が自殺を思いとどまらせるのか?

 

1tedaday (id:khide)さんのブログを読んで、ケヴィン・ブリッグスの考えに触れた。

1tedaday.hatenablog.com

 

ケヴィンは23年間、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールに務めていた。

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彼の担当するパトロールエリアにはサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッッジが含まれていた。

ゴールデン・ゲート・ブリッッジは観光名所として有名だが、自殺のスポットとしても知られていた。

彼は自殺しようとしている人に幾度となく出くわし、その度に自殺を思いとどまるように対処してきた。

これまでに彼は数百人の自殺志願者に対処してきた。直接携わった事件のうち、自殺の引き止めに失敗したのはたった2人だけだった。

 

彼がとった行動とはいったいどういうものなのだろう?

 

 

 

僕は、「うつ状態」になった時に何度も死にたいと思った。

しかし、実行には移さなかった。

なぜだろう?

 

僕自身は死ぬことをそんなに怖がっていない。

僕の母も祖父も脳梗塞で突然に亡くなった。

僕も同じように死ぬかもしれないという予感がある。

それに死ぬことで僕の体が焼却や微生物により分解され、また何かの、誰かの体の一部になることも想像できる。生きていたとしても死んだとしても僕を構成する水素や炭素は毎日循環している。その速度が遅いか早いかの違いだけだ。

 

でも、僕は死ぬことを思いとどまった。

なぜだろう?

 

それは家族を悲しませたくなかったからだ。

 

僕が死んだら、僕の子供は悲しむだろう。

まだ僕の死を実感できない年齢の子もいるけれど、彼らの人生において深い影を落とすことは間違いない。

妻は大泣きするだろう。僕の喪失により、金銭的な面だけでなく、精神的な面で大きなダメージを受けるだろう。それは彼女に残された人生において、プラスに働く可能性は限りなく低いだろう。

 

そんな家族のことを考えたら、いくら僕がうつで弱ってマイナス思考しかできない状態だったとしても、家族の悲しむ顔を思い浮かべたら、死ねなかった。

 

いまは毎日、家族で笑顔で食卓を囲んでいる。そんなささやかな幸せをかみしめている。