出会いはこれだった。
クラウドファンディングで世界一美味い牡蠣を支援できる。
即申し込んだ。5,555円のやつ。世界一の牡蠣10個をお送りいたしますのやつ。
最終的に500万円以上集まったようだった。
牡蠣の人が日本巡業しているのを知った。
京都に来ることを知った。
速攻で行った。
世界一の牡蠣を味わった。
感動した。ただただ感動した。
カキフライの冷めたのも美味しいというのも教えてもらった。
かき初めもしてもらった。
そして、クラウドファンディングのリターンは一番牡蠣が美味しい2月初旬に送ってもらうことにしていた。
ついに、その日がやってきた。
届いた。
解説書とノロウイルスの検査報告書、腸炎ビブリオなどの検査報告書が添付されていた。
届いてから2日は美味しく食べられるらしい。
解説書に従い、届いた日に殻をタワシで洗ってバットに並べ、冷蔵庫で保管した。
翌日。
いよいよ牡蠣オープンの日である。
牡蠣開け用の手袋もダイソーで購入した。
牡蠣開け用のナイフはなかったのでキッチンバサミ、包丁、ステーキナイフ、バターナイフを用意した。
待ち受ける牡蠣たち。殻の形はさまざまである。少し小ぶり。締まってそう。
まず1個目。キッチンバサミで右斜め上の殻部分をちょっとずつカットしていく。
バターナイフをグリグリ入れ込む。硬い。
だいぶ殻が削れながらもなんとかバターナイフをねじ込んで貝柱を切り取る。テコの原理でこじ開ける。ようやく開いた。殻の欠片がたくさん身についてしまった。キッチンペーパーで拭き取る。反対側の貝柱も切り取り、くるりと牡蠣の身を回す。貝柱がだいぶ殻についたままだけど、まぁしょうがない。最初だもん。
2個目も同様に開ける。今度はさっきよりマシになる。
3個目。開けようと手に取ると殻にスキマが見えた。さっとナイフを入れようとしたら殻が閉まる。そうだまだ生きているんだ。牡蠣は水揚げしても1週間くらい生きる。さらにこの牡蠣は世界一美味い牡蠣なのだ。新鮮すぎるほど新鮮なのだ。硬く締まった殻をこじあける。バターナイフでは歯がたたない。ステーキナイフでもだめだ。包丁をグリグリ入れ込む。ようやくスキマが。バターナイフを一気に入れ込み貝柱を切る。貝柱を切れば牡蠣は死んでしまうので開けやすくなる。パッカリ開けて、奥側の貝柱を切る。
4個目。さらに硬い。包丁でグリグリしてたらカップが深いほうの殻が割れてしまった。牡蠣汁が漏れてしまった。もったいない。すすりたい。我慢してなんとか開ける。殻が割れてかわいそうになってしまった。下手くそに死なせてゴメンよ、牡蠣くん。
そうやって11個の牡蠣を開けた。見た目はブサイクになってしまったが達成感。
うちは家族5人。1人あたり2個か3個。
「牡蠣食べる人ー」と聞いたら娘が元気良く手を挙げた。
長男は「牡蠣そんなに好きじゃなかった」と言って食べずに辞退した。ヨシ!
次男は1個食べてすぐに出した。即座に僕が息子の出した牡蠣を食べた。もったいないよー。「美味しかったけどヌルヌルしてて気持ち悪かった」とのこと。4歳には生牡蠣はまだ早いか。
ということで、残りの牡蠣は娘が4個、僕が4個(うち1個は息子が吐きだしたもの)、嫁が3個食べた。娘は恍惚の表情を浮かべていた。よかったね。
もちろん僕はボウモアをかけて食べた。
あー幸せーーー!
今度は牡蠣開けナイフを買っておこう。