東京ビッグサイトで展示会の説明員をするという、久しぶりにネクタイと革靴で、いささか疲れた身体は、コーヒーを求めていた。
せっかくだから美味いコーヒーが飲みたい。
秋葉原に宿をとっていたので、カフェ・バッハは比較的近い場所にあった。
カフェ・バッハ
そこで修行した人が全国各地で自家焙煎珈琲のお店を出している。
僕はそのうち2店舗に行ったことがある。
京都・晴明神社の近くにあるカフェ・デ・コラソン。
どちらもコーヒーが美味しいだけでなく、ケーキやトースト、クロワッサンなども美味い。
そして居心地がいい。
カフェで居心地の良さは必要条件である。
その場にいるだけで癒される。それが良いカフェだと僕は思う。
その総本山。
わくわく。
どきどき。
店内は入り口側にテーブル席が5、6卓あり、奥にカウンターが6席ほどあった。
米安珈琲やカフェ・デ・コラソンよりも随分広い。
迷わずカウンターに座る。
抽出する所作がよく見える位置に座る。
お冷やとメニューをもらう。
バッハブレンドとトーストを注文する。
食器が整然と並んでいる。
ミルは年季が入っている。
僕の後ろのテーブル席では店主の田口さんが友人たちとコーヒー談義を繰り広げていた。コーヒーを飲みながら。
おそらくいつも味をチェックしているのだろう。
カウンターの向こうにいるマスターは手慣れた動作でエレガントに注文されたコーヒーを仕上げていく。
ぼーっと眺める。
それだけで癒される。
やがて僕の頼んだバッハブレンドが来た。
うーん、やはり美味い。
いつも飲んでるコラソンブレンドよりもややしっかりめ。
トーストはジャムとバターを両方つけてもらう。
お好みで塩と胡椒をかけて食べる。
このスタイルもコラソンではお馴染み。
バタートーストはコラソンよりも若干固め。でもコーヒーととても合う。
コーヒーを飲み、トーストをかじる。
咀嚼してコーヒーを飲む。
その繰り返し。
癒される。
心と体が癒される。
食べ終わり、ぼーっとする。
マスターの所作を眺める。
アイスコーヒーを注文する。
ミルクとシロップをたっぷり入れてストローでかき混ぜる。
甘味と苦味の調和を楽しむ。
飲み終わり、再びぼーっとする。
癒される。
コーヒーだけでなく、店の雰囲気全体で癒される。
良いカフェとはそういうものだ。
そう、再認識させてくれるカフェ・バッハ。
ありがとうございます。