学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

TEDxHimiにおけるウイスキーマエストロの矜持【前日編】

序章として、マサさんとの出会いからTEDxHimiに持っていくウイスキーとスパイスのことを書いた。

 

scotchhayama.hatenablog.com

 

 

これからは、できるだけ物語形式でTEDxHimiの様子を報告していこうと思う。

ピクサーの「脚本の書き方講座」が素晴らしかった”を参考にして。

d.hatena.ne.jp

まず前提として、ハリウッドの娯楽映画の多くは「映画の尺の1/4が第1幕(発端)、1/2が第2幕(葛藤)、残りの1/4が第3幕(解決)」という3幕で構成されている。ピクサー作品の場合「脚本はおおよそ100ページで、3幕の配分は25/50/25ページ」とのこと。

なるほど。

本当に難しいのは結末でなく冒頭

ということで、冒頭の書き方の詳細が解説されている。

 

しまった!僕はすでに冒頭=序章を書いてしまっているではないか!! 

1. 主人公の紹介。および主人公に目的を与える。主人公の好きな物、特徴づけるものを明らかにする。

まず、主人公の

・状況設定

大切なもの

弱点

を決める。

だそうだ。

状況設定は書いた。僕がTEDxKyotoでマサさんに会い、一目惚れしてTEDxHimiに行こうと決意したというのがそれに当たるだろう。

 

大切なものはもちろんウイスキー

 

弱点は何だろう?

いろいろあるけれど、こだわりが強すぎるところかもしれない。

あと、人と話すのは意外に苦手で出来れば一人でいたい派。 

 

次はこれ。

2.「嵐雲」を起こす。あくまで嵐の兆しであり、災難そのものではない。

これはまだ書いてないけど、TEDxHimiの開催日に合わせてやってきた大寒波襲来だろう。

news.goo.ne.jp

え?マジで?開催されんの?って思いながら移動したもん。

 

サンダーバード乗って、途中の鯖江ではこんな感じで雪が積もってた。

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氷見駅に着いたのは18時頃。外は大雪。だけどタクシー代をけちって会場の「氷見市いきいき元気館」まで1.5kmの道のりを歩いていった。傘さしててもドンドコ雪まみれ。

 

途中、道を間違えて別方向に500m行きすぎてしまった。雪がどんどん積もってくる。

しかもスマホの電池が切れてGoogle Mapが見れなくなってしまった。しまった!!寒いと電池がなくなるの早いんやった!

なんとか近くのローソンに立ち寄り、トイレで充電しながら地図を確認する。あと500mくらいだ。お腹すいた。

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ローソンの駐車場も雪で埋め尽くされてた。雪だるま何個つくれるんやろう?

 

靴がずぶ濡れ足先ひんやり状態で、ようやく会場にたどり着いたけど、入り口がみつからない。5分ほどウロウロして、自動ドアが動いてるエントランスを見つけた。中に入ると「TEDxHimi準備」の看板が。エレベーターで3Fへ。

 

知らない人だらけ。。。

 

とりあえず隅でこそっと靴下を履き替える。雪で隠れた水たまりにハマってしまったのでビチャビチャだった。替えの靴下は一個しかないけど、仕方ない。

 

ちょっとだけスッキリして人心地ついたので、

「おつかれーっす」と適当に挨拶しながら知ってる人を探す。

 

TEDxKyotoでチケッティングリーダーを交代してもらったトクさんがいた。

scotchhayama.hatenablog.com

トクさんはロビーの隅っこでプリンタに向かって黙々と名札の印刷をしていた。パーティシパントは130名くらいで、スタッフが70名くらい、スピーカーやパートナー等の関係者が30名くらいいるらしい。名簿をチェックして一枚ずつ印刷しないといけないらしいけど、プリンタの調子が悪く、作業がはかどらないらしい。代わりのプリンタをゼロックスさんに持ってきてもらう手筈になってるが、まだ来てないらしい。

 

「トクさん元気?」

「はい」

あきらかに元気がなかった。疲労の色が濃かった。灰色だった。もうすぐ明日のジョーになりそうだった。燃え尽きそうだった。

 

とりあえず他のスタッフを紹介してもらった。

 

「みやばしらです。ボランティアコーディネートをしてます」

「はやまです。スコッチと呼んでください。よろしくお願いします」

一見、大学生風の女性と挨拶を交わした。ボランティアコーディネートということはTEDxKyotoでいうと高屋さんのポジションやな。この人に聞いたら大体なんでも分かるやろな、と安心した。

 

「はやまさんは今晩スタッフ宿に泊まられますね?」

「はい」

「では、2500円お支払いください」

 

えっ?宿泊代いるんや?と驚いた。

マサさんからは事前に、民家を借り上げて遠方から来たスタッフが泊まれるところ確保するし、そこに泊まる?と聞かれて、Yes, of course! と答えてただけで、てっきり無料で泊まれると思ってたので、現金の持ち合わせはあまりなかった。

 

これか!

3.「大切なもの」を失う。

僕はお金という大切なものを失った。

TEDxHimiのスタッフTシャツも購入したので財布には小銭しか残ってない。コンビニでお金おろさねば!でも外は大雪やし、今は無理やな。後で車に乗っけてもらっていこう。

 

 次はこれや!

4. 主人公に「屈辱」を与え、世界は不公平だと感じさせる出来事を起こす。

屈辱って何だろう?

そう思いながら会場をウロウロした。

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ステージ準備中。

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めちゃカッコイイ!

TEDxHimiのロゴもなんかよう知らんけど誰かと誰かの合作らしい。マサさんがFacebookでいうてた。超カッコイイ!

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エントランスのエレベーターにも”X”が!!

Xが開いて登場する仕掛けやな。おしゃれやな。しゃれおつやな。乙カレーやな。

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この柱もカッコイイ!

ん?よく見ると、、

 

ブリやん!!

 

ブリの頭がたくさん貼ってあるwww

おもしろー。

 

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トイレ側の壁にも貼り出した。TEDxKyotoの三ツ木さんもめっちゃ楽しそうに貼ってる。悪ノリや。悪ノリする大人たちの集団や。

 

このとき僕は感じた。

4. 主人公に「屈辱」を与え、世界は不公平だと感じさせる出来事を起こす。

こんなに楽しそうに悪ノリしてる仲間にイマイチ入り込めなかった。

他の仕事を探して彷徨った。

 

まだプリンタに悪戦苦闘してるトクさんのところにいった。

「なんか手伝うことある?」

「印刷した名札をネームタグに入れてください」

「OK」

さきほど僕の「大切なもの=お金」を奪ったみやばしらさん(みんなからはトモちゃんと呼ばれている)とあともう一人くらいと一緒にせっせと作業した。意外に早く終わった。

 

お腹すいた。差し入れのシフォンケーキを食べた。ふわっふわでめっちゃ美味しかった。でも、もっとコッテリしたの食べたい。まだ終わらんのかな?メシ行かんのかな?

ブリ食べたいな。でもまだトクさん作業してるしな。みんなと一緒にメシいきたいな。

ホテル組の金谷さんは先に帰った。雪見風呂が気持ち良かったとFacebookで報告している。そんなんUPせんでいいがな。金谷さんはTEDxKyotoのキュレーション担当で今回は映像関係のお手伝いをしているそうな。長崎からはるばるやって来て前々日に前乗りして氷見を楽しんでる。うらやましい。うらやましいなぁ。僕も早くブリを食べてお風呂に入りたいなー。

 

5. 主人公を「岐路」に立たせ、2幕へ進む。

 

屈辱を受けた主人公は

a) 健全な道

b) 分別のない、無責任な選択

のどちらかを選択しなければいけないが、a) を選んだらそこで物語は終わってしまうので、必然的にb) を選んで代償を支払う羽目になる

屈辱を受けた(仲間に入りそびれた)僕は、

健全な道か、

分別のない無責任な選択

のどちらかを選択しなければならない。

しかも物語を終わらせないために、無責任な選択をして代償を支払う羽目になる。

 

無責任な選択って何だろう?

イマイチ良く分からなかったので事例をみてみた。

・インクレディブル:a) 一般市民として平凡に生きる b) 妻にウソをついてヒーロー活動を続ける

 →代償:組織に目をつけられ、大きな事件に巻き込まれる

あーね。

a) 普通のパートナーとして平凡にTEDxHimiに参加する

b) お腹すいた風呂入りたいの我慢してTEDxHimiのメンバーと行動をともにする

ということか。

 

よっしゃ!やったるでー。

代償はよく分からんけどな!

 

 

トクさんまだ作業中。ゼロックスさんまだ来ない。替えのプリンタがない中でも何とか全ての名札を刷り終わった。

僕らはどんどこ作業を進めた。

ステージの設営、ブリ貼りも終わったっぽい。ホテル宿泊のスタッフは続々と帰っていく。お腹すいた。お風呂入りたい。

ゼロックスさん来た!外は大雪だったので到着が大幅に遅れたらしい。でももうプリンタ要らないんだけどな。

まだ受付の準備は完全に終わってないけど、撤収のお声がかかった。どうやらココは21:30までしか使えないらしい。用務のおっちゃんがカギを閉めたがってる。めっちゃソワソワウロウロしてる。申し訳ない。

 

バタバタと片付けながらトモちゃん(僕の「大切なもの=お金」を奪った人)に衝撃的なことを聞いた。

「明日は9:00オープンでパーティシパントが入ってくるんですけど、ココを開けてもらえるのって8:30なんですよね」

 

なんですと!

スタッフが入れるのは8:30からということ?

受付の設営は30分しかないということ?

 やべーな。

 

不安がたんまり残ったまま会場を後にした。

 

車に乗っけてもらってスタッフ宿を目指した。

その前にコンビニに寄ってもらった。

お金おろした。晩ごはんと朝ごはんの買い出しもしといた。

 

スタッフ宿についた。

宴会が始まっていた。

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時刻は22:00。

スタッフ宿にはお風呂はなくトイレのみ。

これから銭湯に行くのは車を出してもらわないといけないし、何より面倒臭いので、お風呂に入るのは諦めた。

 

買い出ししたビーフシチューとロールパンとサラダをたいらげ、誰かが買ってきたお寿司や刺身を食べた。お腹いっぱいになった。

 

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パートナーとしてアフターパーティで出す予定のウイスキーを試飲と称してハイボールにして飲んだ。山椒や御香煎をかけてみた。やっぱ合う。刺身にも合う。よかった。バッチリや。

 

トクさんにもハイボールを作ってやる。

「おつかれ。明日がんばろう!」

 

他の人にもハイボールを振る舞う。名前知らんけど。

 

結局、この日は0:00過ぎくらいまで飲んで寝た。

知らん人ばっかりやけど。

布団もちゃんと確保できず、畳の上に寝たけど。寒かったけど。風呂入りたかったけど。 

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よく寝とこ!

 

 

 

 

当日編につづく

 

 

scotchhayama.hatenablog.com

 

 

ちなみに、

第2幕以降については「主人公は、失った大切なものを取り戻す旅をして、最後にそれを取り戻すと弱点も克服している」とだけ説明されている。

とのこと。大切なもの=お金を取り戻す旅をして、最後にそれを取り戻すと弱点(こだわりが強い、一人が好き)も克服していることだろう。