学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

【全11回】ウイスキーの小ネタ6「ベンチャーウイスキー」

ウイスキーの小ネタ6はベンチャーウイスキーについて紹介します。
 
いまは空前のウイスキーブームで日本でも新しい蒸溜所が続々と誕生しています。

 
そのきっかけとなったのが肥土伊知郎氏が率いる株式会社ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所)です。
 
肥土氏はもともとサントリーの営業をしていましたが、家業が苦しくなると経営を引き継ぎました。家業は東亜酒造といい「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれるほど1980年代の第一次ウイスキーブームの時は人気がありました。
 
親会社の意向で東亜酒造(羽生蒸溜所)が貯蔵していた原酒が廃棄されそうになり、肥土氏は独立を決意し、原酒を貯蔵してくれるメーカー探しに奔走しました。
 
ついに笹の川酒造からの協力を得ることに成功し、貯蔵庫を間借りさせてもらえることに。
 
そこで原酒をブレンドさせて誕生したのが「イチローモルト」です。1万3500円という価格でクセのあるウイスキーというのは当時のバーではなかなか受け入れられなかったのですが、全国を行脚して徐々にファンを増やしていきました。
 
いまではイチローモルトのカードシリーズが54本セットで1億円で落札されるなど、世界的にも大人気となり、数々の賞を受賞しています。
 
そんな人気を得て、満を持して設立させたのが秩父蒸溜所です。
 
2008年2月に稼働を始め、秩父の風土に根ざしたシングルモルトウイスキーづくりが行われています。とにかくこだわって造るウイスキーは肥土氏のブレンド技術もあいまって大変豊かな味わいとなっています。
 
私はまだ行ったことないので、いつか蒸溜所見学に行きたいです。
 
次回はウイスキーを使ったカクテルについて紹介します。