今年で4回目だ。
72kmは完走できたけど、100kmは2度チャレンジしていずれも75km地点でリタイア。
課題は多かった。
練習不足もあるけれど、補給の種類やタイミング、休憩の取り方、何よりペースを維持できるかというのが一番大事だと痛感していた。
他人に左右されない。
自分をどこまで深く理解するか。
長い距離、時間を楽に走るため、ナンバ走りを練習してきた。
甲野善紀先生の本を買って、秘技「虎ひしぎ」を意識して、普段の歩きから階段の上り下り、走りに「虎ひしぎ」の型を取り入れた。
ペースを維持することもかなり意識した。
前回は前半飛ばしすぎたのと、エイドで休憩しすぎたので最終関門をクリアできなかった。
第一関門まではそれほど上りがきつくないので7分/kmのペースで行こう。
古い町並みを通り抜け、
美女高原でトマトジュースを補給し、
第一関門の朝日村に到着。
予定どおり7分/kmのペースで来れてる。
休憩を5分以内に済ませ、次の関門のスキー場まで20kmほどの長い上りへ向かった。
ダラダラと上りが続く。
川の流れに沿って走ってる時は心地よい。
はるか彼方に雪の残る山頂が見える。
相変わらず景色が素晴らしいコースだ。
ようやくスキー場が見えてくる。
毎年見かける仮装ランナー。
今年は小野さん(大根)が出場されておらず、3人組だった。
ぼんやりと前を行く3人を見ながら、
鷹がいないなぁ。
追い抜く時に声をかけた。
「惜しいですね!あと鷹がいたら一富士二鷹三茄子だったのに!」
と言いながら、ふと自分の袖を見た。
「あっ!鷹や!!!」
「ちょっと写真撮ってもらっていいですか?」
メイドのお姉さんにお願いした。
ホークスのユニフォーム着てて良かった!
ちょっと元気になり、スキー場に到着。
やっぱり坂がきつかったのでタイムは少し遅れ8分半/kmのペースだった。
冷やし甘酒で多糖類を補給し、すぐに出発。
これからはしばらく下り。
ここでいかにペースを上げれるかがカギとなる。
見返り坂で写真を撮ってからはほぼノンストップで下る。
6分半/kmくらいの満足いくペースで走れた。
下りのナンバ走りは楽に速く走れる。
心拍を鍛えればもっとスピードが出せるだろう。
満足いく走りができたのと、タイムに余裕ができたので思わず買ってしまった。
生ビール200円。
安い!美味い!
100kmなんてビール飲みながらじゃなきゃやってらんねぇ!と思いながらビールを飲み干し、再び走り出す。
50km地点。
半分クリア。
またしばらく上りが続く。
上りきったところに私設エイドがある。
毎年コスプレで癒してくれる。
今回はマッサージ付きだった。
親切!
坂を下る。
長いトンネルを抜ける。
頭がぼーっとしてきた。
めっちゃ酔いが回ってきた。
生一杯でこんなに酔えるなんてお得!なんてどうでもいいことを考えながら、走る。
第三関門到着。
焼きそば美味い!
脂肪と炭水化物。
長期エネルギーと短期エネルギー。
ビールのおかげ(せい)で7分半/kmのペースと少し遅れた。
そして、最大の難所である千光寺に突入。
乳酸溜まりまくりな坂を1.5km上る。
最後に煩悩の数の108段の階段。
「虎ひしぎ」で2段飛ばしで上る。坂より階段のほうが楽だということを体感した。
こっからは時間との勝負。
下りは着地の衝撃を和らげるために「虎ひしぎ」の手をすっと前に出し、重力エネルギーを使って前へ進む。
心拍が上がったら歩く。
足がつりそうになったら、お腹が空きそうになったら、給食する。
食物エネルギーが体に循環しつつあるのを感じたら、走る。
きつくなる前に対処する。
無理はしない。
先は長いのだから。
飛騨の風景を楽しむ。
飛騨牛を遠くに見遣る。
飛騨牛を食べ、タンパク質を補給する。
地元の猟師が獲った猪汁を食べ、タンパク質を補給する。
95kmまで来たが、制限時間は迫っていた。
96km、最後のエイドに到着した。
まだ走れる。
いやダメか。
ゴールしたい。
制限時間を過ぎても自分の足でゴールしたい。
制限時間の19時を過ぎた。
あと3km。
あと2km。
マイクロバスが隣に停車した。
「もう制限時間を過ぎてるので、皆さんバスに乗ってます」
「あと2kmなんで自分の足でゴールまで行きます」
「ダメです」
これ以上、何を言っても無駄そうなので、しぶしぶバスに乗り込んだ。
あっさりと僕の100kmチャレンジは終わった。
98kmまで走れた。
あと2kmも余裕だった。
ルールがゴールを許さなかった。
ある程度の満足感はある。
でも、心残りも、ある。
来年もチャレンジしよう!
とは今のところ考えてない。