学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

ADHD的な失敗をしたときの対応力について、つらつらと書く。

久しぶりに傷心である。ハートブレイクである。

なぜか?

それは1万5千円というお金を失くしてしまったからだ。

それも、とんでもないミスで。

 

最近よく行くスーパーは24時間やってて、業務スーパー的な品ぞろえで、とくに肉や魚が安い。だから気に入って、最近よく行く。

しかしそのスーパーはクレジットカードやその他のキャッシュレスの支払いを全く受け付けず、現金のみの対応であるため、私の財布の現金はやがてなくなる。

 

今日は4千円財布にあったので、ちょうど4千円分くらいの買い物をそのスーパーでした。その後に帰り道にあるATMでお金をおろした。2万円にしようかと思ったけど、1万5千円をおろすことにした。ついでに通帳記入をした。キャッシュカードと通帳を忘れずに取った。

 

家に帰り、しばらく仕事的なことをした。気分よく仕事的なことをした。

 

12時半になり、娘を迎えに行った。待ち合わせのため、娘の高校のドラッグストアに車を停め、ドラッグストアで日持ちのする食材などを買い物していた。やがて娘が来た。なにか車で飲む?とコーヒー牛乳的なものを買い物かごに追加した。娘はひとあし先に車で待つ。私はドラッグストアで支払いを待つ。このドラッグストアも現金のみしか対応していない。財布の現金はどんどん減る。さっき1万5千円おろしといたから、大丈夫。と財布を見ると、札がない。一枚もない。あれ?なんで?バグる。

 

店員に現金忘れちゃったので、戻しといてください!って言ってドラッグストアを出る。娘が待つ車に戻る。娘にはお金がなかったので結局買えなかった。と伝える。

 

私は理解した。1万5千円の在り処を即座に理解した。ATMだ。ATMで忘れずに通帳とキャッシュカードを取った。しかし現金を財布に入れた記憶がない。思い返せば、帰り際、車の中からみたATMが変な風にLEDが光っていた。おそらくATMは「現金をお取りください」を連呼していたに違いない。あれからもう3時間経っている。さすがにもう誰かが私の代わりに1万5千円を受け取っているだろう。私は一瞬にして1万5千円を失ったのだ。いや3時間気付かないまま、いまこの瞬間に1万5千円を失った悲しさに打ちひしがれているのであった。

 

そういったそぶりは微塵も見せず、娘との会話をする。家に帰って、娘と妻に昼ご飯を作ってあげる。ATMで1万5千円を取り忘れたなんてことを言ったら、めちゃめちゃ怒られるから。妻と娘にめちゃめちゃ怒られるから。そして父の威厳は失われるから。もともと威厳ないけど、マイナスになるから。これ以上、ダメな父親になるわけにはいかない。

 

幸い、ボーナスが出たばかりなので銀行には現金がたくさんある。コロナの給付金も5人家族分もらったので現金はたくさんある。1万5千円を失ったところで誤差だ。大丈夫だ。大丈夫。平気だもん。

 

しかし、もう一度、銀行からお金をおろすと妻にあやしまれる。通帳に履歴が残るから、きっとあとで「なんでそんなに頻繁にお金をおろしたの?」って詰め寄られる。それは避けたい。

 

だから私はこれから散歩に行くふりをしてコンビニでクレジットカードのキャッシングをする。1万円のキャッシングをする。キャッシングは1万円単位でしかできないから1万円だ。1万5千円ではない。2万円でもいいのだが、もし万が一、再びお金を取り忘れたときのショックが耐え切れないから1万円だ。

 

これからは現金払いのスーパーやドラッグストアでの買い物は控え、クレジットカードで支払えるところでの買い物の比率を増やそう。

 

あのATMに取り残された1万5千円は、私の後に来た人への寄付金だと思おう。きっと、生活が困窮していたに違いない。もしかしたら一人暮らしの老人かもしれない。酒屋に併設されたATMだったから良い酒をかったかもしれない。めでたい酒を飲めばいいじゃないか。私のおごりだ。せめて美味しいウイスキーを飲んでくれ。18年くらいの長期熟成ものの素晴らしい味わいを楽しんでくれ。私のおごりだ。太っ腹だろう。

 

というわけで、優しい社長になった気分だ。バーに行ったら高いボトルを入れてくれる社長になった気分だ。1万5千円で社長気分が味わえるなら安いもんだ。

 

ぜひみんなも酒屋に併設されているATMでお金を取り忘れたらいい。手軽に社長気分を味わえるから。