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【全11回】SINIC理論の小ネタ3「立石義雄さん」

SINIC理論の小ネタ3は立石義雄さんについて紹介します。
 
立石義雄さんは、SINIC理論の発表者でありオムロン創業者・立石一真の三男で、オムロンの3代目社長や京都商工会議所の会頭を長らく務められていました。しかし残念ながら2020年4月にコロナ禍により亡くなりました。
 
義雄さんは、オムロンのグループ内シンクタンクで、SINIC理論を研究しているヒューマンルネッサンス研究所の初代所長でもありました。
義雄さんの著書「未来から選ばれる企業」~オムロンの「感知力」経営~(2005年)では、ヒューマンルネッサンスの由来についても書かれています。
 
 
 
(以下、著書から引用)
現在は、「工業社会」から「最適化社会」に移り変わった段階です。「工業社会」において、人間は生産性や効率の向上を目指してきました。そのことで物質的な豊かさがもたらされたことは事実です。しかし、その一方で、工業社会が人間を抑圧してきたのも事実です。「最適化社会」では、人間は「生きる歓び」を求めるようになり、「新しい価値観」が生まれてきます。

 

ちょうど「農業社会」から「工業社会」に移行する時に、新旧の社会の間で葛藤が起こったように、「工業社会」から「最適化社会」に移行する際にも葛藤が起こります。「農業社会」から「工業社会」に移った14世紀には、「人間復興」を唱えたルネッサンス運動が興りました。「工業社会」から「最適化社会」に移行する現代にも、第二のルネッサンスが求められてます。「セカンド・ルネッサンス」です。「セカンド・ルネッサンス」のテーマは、「人間らしい生き方の尊重」をより深めることです。それゆえ、私は「セカンド・ルネッサンス」のことを「ヒューマンルネッサンス」と呼んでいます。
(引用終わり)
 
農業社会から工業社会への転換期にペストが流行し、それも遠因でルネッサンス運動が興ったといわれています。
 
現在、最適化社会の転換期にもコロナが流行し、人々の生活は再び大きく変わりました。この転換期を乗り越えるため、人間らしい生き方を追求してヒューマンルネッサンスを興すには、何ができるか?を引きこもり時間でじっくり考えてみるといいかもしれません。

 

 

次回は、ヒューマンルネッサンス研究所の記事から、京都大学総長でゴリラ研究の世界的権威である山極先生へのインタビュー「2030年、人類は新たな社会へ」を紹介します。

 

前回はこちら

scotchhayama.hatenablog.com