学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

【全11回】SINIC理論の小ネタ2「温故知新」

今回はSINIC理論の開発経緯に関する記述の序文に書かれていた文章を共有します。
日本人の特徴を鋭く見抜いていて面白いです。
 
日本人は本来、直観力が鋭い、しかし、問題をシステム化して、客観化し、コミュニケーションによって個人の意識レベルから、集団の問題意識のレベルへアウフヘーベン止揚)することが苦手である。はじめから誰でもわかりきった問題とか、比較的簡単な問題ならば、暗黙のうちにコンセンサス(合意)に達するのもよい。しかし、ドル・ショックにみられるような予断の許さない複雑な問題については、システム分析によって、問題の核心をはっきりととらえ、その解決策を見出していくことが、やっかいではあるが、是非とも必要である。
ただ、ここで注意しなければならない点は、問題というものが、そのとらえ方によって、その困難さと解決のしかたを決定してしまうことである。この問題のとらえ方であるが、問題を問題とする人の意識や認識による相異、格差によって表面上は客観化された内容も、意味が違ってくる。
そこで、人間の根本的な欲求とその行動パターンを、人間活動の飛跡である歴史に求め、かつ未来に向かって、創造的想像力を発揮することが必要とされる。つまり、現在を単に未来と過去の時系列的接点とするだけでなく、現在を過去の経験則(Experimental rule)と、未来の可能則(Possibility rule)とを統合化する思考空間の中の移動点であると考えることである。古くから東洋の賢人は、これを「温故知新」と云っている。
 
 
温故知新といえばTEDxKyoto2014のテーマですね。SpeakerのTalkを観たら何か気づきが得られるかもしれません。

tedxkyoto.com

 

次回はSINIC理論を発表した創業者の三男・立石義雄さんについて紹介します。

 

前回はこちら。

 

scotchhayama.hatenablog.com