とある大学生向けにオンライン授業の講師をしました。
2日間のワークショップ設計と当日のファシリテーションを担当したので、その中身を紹介していきます。
前回はこちら
リーンキャンバスを書く前に、顧客のことをもっと知ろう!ということで共感マップを書いてもらいました。
共感マップとは、
共感による人に対する深い理解を共有することに役立つフレームワークです。
スタンフォード大学d.schoolのカリキュラムで採用され、ハーバードビジネスレビューにも掲載され話題を呼びました。
顧客体験の向上、社内政治の理解、より良い仕事環境など多くのプロジェクトで活用されています。
今回使用するのは2017年のアップデート版です。
共感マップの使い方
ゴールからはじめましょう。①「誰」が共感マップの主人公で、②彼らは「何」をしてほしいのか?を考えます。
ゴールを明確にしたら、キャンバスを時計回りで作業していきましょう。③見る、④言う、⑤やる、⑥聞くの順番です。
観察可能な現象(目に見えるもの、聞くもの)に集中することによりその対象に深く共感できるようになります。彼らの経験がどのようなものか想像する機会となり、「彼らのように感じる」感覚に近づきます。
外側の要素を埋めてから、⑦頭の中の動きにフォーカスしはじめます。真ん中の大きな頭はこのマップデザインの最も重要な側面の1つです。コンセプトはその人が何を感じて何を考えているか知ることです。
共感マップで顧客候補を想像してみる
①~⑦を順番に考えることで顧客が何に困っているのかが分かってきます。
共感マップの例①「ワーキングマザー」
ここでは顧客をワーキングマザーとおいて、彼女がどういったことをやりたくて、何を見て、何を言っているのか、何をしているのか、何を聞いているのか、何を考え、感じているのか、具体的に書きだしてみました。どうやら仕事と家庭を両立しつつ、特に食事に気をつけていきたいと考えているようです。
共感マップの例②「お酒飲みはじめの大学生」
2番目の例として、私が将来やりたいBARのターゲットとなる、お酒飲みはじめの学生について考えてみました。「安酒で悪酔いしたくない」「いつか大人なBARに行きたい」といった願望を持ちつつ、理想と現実のギャップに悩んでいる様子がうかがえます。
このように、顧客の五感や言動に着目して、より深く顧客のことを考えることで、真にやりたいこと、やるべきことが見つかるかもしれません。
共感マップを一周ぐるりと回すことで意外と気づきが得られるものです。みなさんも是非お試しあれ。
次回は、リーンキャンバスの中でも優先度の高い「課題」と「顧客」について考えるワークの解説をします。