学びと食、ときどきランニング

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ひとり飲む、京都。酒房 神ぐらで「一定の距離を保つ接客」を味わってきた。

こちらの記事で紹介されているお店

onaji.me

ラズウェル細木さんがお気に入りの京都のお店は「神ぐら」

よく行くお店として京都の「酒房 神ぐら(かぐら)」を事前に挙げてもらっていました。こちらはどのようなお店なのでしょう?

ラズウェル細木さん:ここは、祇園四条にある「日本酒バー」なんです。京都にはけっこうそういう形式のお店があって、とにかく日本酒にこだわりのある店主が、自分なりの品揃えをしている。

祇園の日本酒バーって聞くと、それなりに威厳のある女将さんがやっているようなお店だと思うじゃないですか。ところが行ってみたら、若いお姉さんがひとりカウンターの中にいるんで、最初はアルバイトの人かと思ってた(笑)。しばらくして「今日は女将さんは?」って聞いたら、「私です」って言うもんで、「えー!」なんて。

ラズウェル細木さん:あそこはひとえに、女将の魅力で人が集まってくる店。美人女将としても有名で、どのくらいかっていうと、女性の常連客たちが「こんなところでひとりでお店をやって危ない目に遭わないように」って「さすまた」を寄贈したくらい。お店にさすまたが置いてある(笑)。

だけど女将自身は、誰に対してもクールなんですよね。特定の客を特別扱いしたりしない。だから、客同士の嫉妬みたいなものも生まれないんじゃないかな。そういう、一定の距離を保つ接客というのは、ひとつのポイントかもしれませんね。

 

祇園若い女将がひとりでやっている日本酒バー。

特定の客を特別扱いしない、一定の距離を保つ接客。

それを味わいにひとり新年会に行ってきました。

 

行く前にFacebookページがあったので最近の投稿を見て予習しました。

https://www.facebook.com/kagura.shubou

トップページにラズウェル細木さんの漫画が載っていてファンなんだなぁと。

お店のことだけでなく女将のプライベートなことも少し投稿してあり、同じ福岡出身だということに気づきました。

プロレスや宝塚観劇、他にもマニアックな趣味を持っていそう。

そしてイラストが上手。かわいい。

 

ばっちり予習して、いざお店へ!

18時からオープンなので、仕事終わってぶらぶら歩いて時間をつぶしつつ、18時過ぎに到着。

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祇園の花見小路からちょっと八坂さんへいったところのビルの3階。

エレベーターはなぜか黄金のシートが貼られていました。エレベーター降りるとすぐにお店の扉があります。重いです。押します。

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お店に入るとカウンターが8席くらい。

常連さんぽい人が奥のカウンターに2名座っていました。

着物姿の女将と目が合います。

「どこでもお好きなところにお座りください」と女将に言われたので、入口近くの席に座り、上着や荷物を隣の席に置きました。

 

席についてしばらくすると女将が注文をとりにきたので

「熱燗をください」と来る前から決めていた最初の一杯を頼みます。今日はとても寒いもん。

 

日本酒バーではよくあるスタイルの3本くらいの日本酒から選ばせる方式で、迷いなく選んだ1本はこちら。

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福岡県の嘉麻市で造っている「寒北斗」の寅之祝酒ということでトラのラベルがインパクトある。

「福岡出身なんでこれで!」と頼むと、「同郷ですね!」と女将が喜ぶ。私も喜ぶ。

 

熱燗は好きなお猪口を選ぶ方式。これも酒飲みには嬉しいサービス。

私は鯛の絵柄が入ったお猪口を選ぶ。メデタイ!

 

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おつまみ何にしようかな?

手渡されたメニューと女将の後ろに貼りだされている今日のおすすめメニューを見比べ吟味する。

悩んでいる途中でお通しが来た。

今日のお通しは季節柄の七草がゆと3種の盛り合わせ。

佃煮っぽいのと、サメの軟骨の梅肉和えと、かつお菜のおひたし。

「福岡出身ならポピュラーだと思うんですけど」と前置きされてかつお菜を紹介された。そういえば地元でしか見かけないなと思いながら受け入れ、食べる。優しい味。

七草がゆも優しい。どれも日本酒を迎えるにはちょうどいい。

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今日のお造りの中でひと際目を引いた「ほや」を注文。美しい。

ポン酢とわさび醤油で食べ比べ。楽しい。日本酒がすすむ。

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「3、4年前に宮城に行って食べて以来、ほやが好きなんですよね」と私。

「私も震災の直後に宮城に行って食べて以来、ほや好きなんです」と女将。

心地よい距離感。

 

箸休め的に頼んだぬか漬けも美味しい。人参、キュウリ、大根。それぞれ触感が違うので食べ比べの嚙み心地が楽しい。

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熱燗がなくなったので、次は冷やで。

「ほやに合う東北のやつを」と注文。

秋田と宮城の酒を4本くらい紹介されたので宮城のやつを選ぶ。

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冷やはワイングラスっぽいグラスにたっぷり注いでくれる。

ほやの刺身に合う。とても合う。ぐいぐい飲んじゃう。

 

「年末年始は何してたのですか?」と聞かれたので、

「実家に帰って資さんうどん食べてました」と答えると女将のテンションが上がる。

ふるさと納税資さんうどんのセット来ましたよ」と振ると、

「私も!ネットショップもよく利用してます」と資さんうどんの「おはぎ」と「めんべい」のコラボ商品を見せてもらった。

おはぎ味の明太子せんべいってどんな味になるのだろう?
(店を出るときに1枚お土産でいただき、家に帰って食べました。甘じょっぱくて癖になる味でした。これまた日本酒が進みそう)

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「次はさっき見せてもらった秋田の酒が気になります!」と言ったら飲み比べセットを提案された。3種で1200円。1合ずつくらい飲める量で出してくれる。

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酒米違いの3種類を頼む。

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酒米として有名な山田錦

山田錦のお母さんにあたる山田穂

令和二年に誕生した新しい酒米の百田

 

個人的には百田が一番すっきりフルーティで飲みやすく美味しく感じた。

 

飲み比べをしながら牡蠣の湯豆腐をつつく。牡蠣の湯豆腐いいな。牡蠣の味が豆腐にしみこんでて美味い。今度家でも作ってみよう。

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もう一杯と一品を頼みたいなと思い、鯛の酒蒸しと熱燗を注文。

熱燗は日置桜の生酛雄町。

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そういえばこの店は精米歩合70%の酒(純米酒)が多いな。料理にも合わせやすいし酒米の違いを感じられるからかな。

 

鯛の酒蒸し。鯛のお猪口で熱燗飲みながらつつく。至福の時間。

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食べ終わって皿を下げてもらうときに

「お上手に食べられますね」と女将に褒められる。

ありがとうございます。魚のアラはしゃぶり尽くすように食べる派です。

 

いつのまにか奥のカウンターには常連さんが増え3人になってた。

私とは3席くらい距離は空いているが、女将も交えてカウンタートークが盛り上がる。

私がラズウェル細木先生の記事を読んでやって来たことを伝えると女将も常連さんも嬉しそうにラズウェル先生のことを話す。月一くらいで来るらしい。

 

入口の近くにラズウェル先生の漫画が置いてあったのでパラパラ読む。

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そうそう。柿とウイスキーって合うんだよね。バーボンロックが特に。

 

今宵は結構飲み食いしたのでお会計は7200円でした。居心地が良いのでついつい頼んじゃうね。

 

帰りはエレベーターの前まで女将がお見送りをしてくれる。嬉しいね。

また来よう!と強く思える店でした。

 

日本酒好きな人、今度一緒に行きましょう。