学びと食、ときどきランニング

ウイスキーマエストロによるIdeas worth spreading

【全11回】ウイスキーの小ネタ9「修道士」

ウイスキーの小ネタ9は修道士について
 
ウイスキーに限らず古くからお酒は神聖なるものとして教会や神社、お寺で造られていました。信者からお金が集まりやすいし、お祭りなど特別な時に飲むものとして必要だからです。
 
また、新たな信者を獲得するのにもお酒は役立ちます。酒の造り方を知りたければ我々の宗教に入りなさいと誘うのです。
 
ウイスキーアイルランドからアイラ島を経てスコットランドへ伝わりました。修道士がキリスト教を布教するついでにウイスキーの造り方も伝道したのです。
 
スコットランドで最初にウイスキーについての記述があったのは、1494年のことです。
スコットランド王室財務記録帳に、「王の命令により修道僧ジョン・コーに8ボルの麦芽を与え、アクアヴィテを造らしむ」と書かれています。
 
ボルというのはスコットランド古来の重量・容量の単位で、1ボルはおよそ63.5キログラム。
 
つまり8ボルだと、500キログラム程度になります。アクアヴィテ(Aquavitae)というのはラテン語で、"生命の水"と訳され蒸留酒のことを指します。以前の投稿でも書きましたが、ウイスキーゲール語スコットランドの古語)で生命の水です。
生命の水を伝える修道士が世界に美味い酒を広げたのです。
 
Whisky worth spreading.